■愛車が水害に……水没後に直せる?
もし不幸にも出先でクルマが水没するような被害を受けてしまった場合、果たして愛車は直せるのか?現役某ディーラーの整備士に話を聞いてみた!
ベストカー:まずですが、クルマを横から見た時、どの辺りまで浸かったら修復不可能になる、境界線はどこになるでしょうか?
整備士:下の図で言うと②の線が境界線になりますね。つまりクルマが半分浸かったくらい。ここまで来たら修復の見積もりはできてもあまり現実的ではないですね。
①のレベルならばマフラーやフロアまで浸かっていなさそうだから、仮に故障しても軽微だから直せます。
逆に③まで浸かっていたら、ボディの傷や凹みも考えられるし、何より内装や電装系といった部分が深刻なダメージを負っている可能性は大きく、修復はもはや厳しいと思われます。
正確には、修理は可能かもしれませんが、②以上の浸水を被っていた場合、時間と金銭などの面でも現実的な選択肢であるとは思えないですね。
以上の浸水被害ならば直すよりも買い換えが一番安心な選択肢となります。
ベストカー:最大のネックはやはり電装品ですか?
整備士:そうですね。ハーネスの浸水でショートするかもしれないので使えませんし、クルマによっては足元と同じ高さにECUがある場合もあるのでそれもダメならば交換、あとリレーボックスも……。
ベストカー:ちなみに、ジムニーなどの地上高が高いクロカンSUVなどもありますが、そういったクルマはやはり高いぶんだけそういったリスクは減らせるものですか?
整備士:いえ、そういうわけではないです。確かに地上高があるぶん、一般的なクルマよりは走破率は高いですが、結局冠水路を走るわけですから、浸水することで問題が起きるかもしれません。
例えば、ジムニーの場合はリアデフが回転することで内圧が上昇するのを防ぐための穴がありますが、ここから水が入る危険もあります。確かに走破性を求めて作られているSUV、だからといって冠水路でも安心ではない。基本は「浸からない」が一番です。
【番外コラム】万が一、クルマが水害に遭ったら保険は降りるの?
もしも、不幸にも愛車が冠水してしまった時、保険は降りるのだろうか? 結論からいうと保険は降りるのだが、以下の点に注意しなければならない。
1)任意保険だけでなく、車両保険にも加入していること(※ただし地震による水害は対象外で、そこもカバーする場合は地震による水害特約も加入しなければならない)。
2)車両保険の免責設定については、水害による水没は自己負担ゼロで保険金を受け取ることができる。
3)気になる等級だが、一般の交通事故とは異なり、水害による保険使用は1等級ダウンと係数適応期間1年ですむ。
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