■標準モデルから19馬力アップで600馬力突破
縦置きミッドに搭載される3.5リッターV6ツインターボエンジンはタービンの変更、ブーストアップ、インジェクターの噴射量アップ、インタークーラーの放熱量向上により、507馬力&56.1kgmから529馬力&61.2kgmにパワーアップした。
また、フロント左右、後輪の3モーターもフロント左右モーターの20%ローレシオ化、制御の変更で7馬力アップしており、フルパワーとなるシステム最高出力は581馬力から610馬力、システム最大トルクも65.9kgmから68.0kgmとなった。
サウンド関係もアクセル操作にレスポンスするインテークサウンドコントロールとスピーカーを使っていると思われるアクティブサウンドコントロールの最適化により、高揚感あるよりスーパーカーらしいものとなった。
9速DCTとなるトランスミッションもシフトスピードが早くなったのと同時に、左のパドルを長引き(0.6秒)すると、その時にシフトダウン可能な一番下のギアに飛ばしシフトダウンのように素早く入るパドルホールドダウン機能が加わった(編註:一気に4段落とし、5段落としも可能とのこと)。
【足回り関係】
タイヤの銘柄は従来モデルのコンチネンタルからさらにグリップの高いホンダ認証のNSX専用となるピレリPゼロに変更された。また、新デザインとなったホイールもインセットの変更でトレッドがフロント10mm、リア20mm広がっており、限界性能とコントロール性が向上した。
サスペンションも可変式となるアクティブダンパーシステムの可変範囲が大幅に拡大されるなどの、変更が施されている。
なお、車重は従来モデルより10kg軽い1790kgが目標とされ、20kgの軽量化になるカーボンセラミックブレーキやカーボンエンジンカバーも従来モデル同様にオプション設定される。
【制御関係】
電動パワーステアリングや3モーターハイブリッド4WDとなるスポーツハイブリッドSH-AWDの制御も大幅に見直された。特に後者は下記3点を軸に改良されている。
・市街地などに適したクワイエットモード/EV状態での加速性能向上と、EV走行領域の拡大
・通常走行用のスポーツモード、ワインディングロードなどに適したスポーツ+モード/四輪の駆動制御や姿勢制御の最適化によりコーナーでのライントレース性、加速時のレスポンスを向上
・主にクローズドコースで使うトラックモード/スポーツ走行時などのコントロール性を向上
まとめると、どんな走行シーンでも「クルマが思い通りに走ってくれる」というドライバーとの一体感、楽しさが究極レベルに進化したようだ。なお、速さの指標となるサーキットのラップタイムはホンダ社内の計測で、鈴鹿サーキットにおいて従来モデルより2秒速いとのことだ。
TypeSに施された変更は、全体的に「世界限定350台のためによくぞここまで!」と感じる濃厚なものだ。もしかしたらホンダとしては、マイナーチェンジで今回のTypeSを標準モデルとして発表して、今後も2代目NSXを育てていこうという気持ちがあったのかもしれない。
350台のためだけにこれだけの改良を行うとは考えにくいからだ。それだけにTypeSを買える財力がある興味のある人は、購入のため即動くべきだ。
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