■爆発力ではなく「ベースアップ」を期待する販売現場
合計9車種となったトヨタSUVに、販売現場はどう対応するのだろうか。
現在、売れすぎて悲鳴が上がっているのは、ランクル300、ヤリスクロス、ハリアーの3車種だ。カローラクロスもこの流れに乗せたいと、意気込むように思えたが、実際、販売現場の反応は少々薄めだ。あるトヨタ販売店スタッフは、こう話す。
「カローラクロスは、価格発表が予定通りに進まず、今後の見通しも不透明な部分があるのは気になるところ。ただ、注目度が高く、良いクルマだと思うので、まずはターゲットを絞って丁寧に売っていきたい」
「先日登場したアクア同様に、爆発的ヒットではなく、緩やかに人気が拡大していってくれると、今の現場でも、しっかり対応できるのではないでしょうか」
また、カローラクロスの販売が伸びずとも、結果的にライズやRAV4へ流れるユーザーが増え、全体としての注文が増えれば御の字と見ているお店は多かった。増えすぎたSUVに手を焼く販売店が増えないことを切に願い、カローラクロスを上手く活用する販売手法を見せて欲しい。
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トヨタのSUVラインナップは、カローラクロスの登場をもって完成した。どこから攻められても崩れない牙城を築き上げたと思う。
あとは現場の販売力や提案力、そしてメーカーの生産能力にかかっている。特に、生産に関して不透明な状況下で発表されたカローラクロス。メーカーや販売店にとっての戦いは、ここからが本番だ。
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