■上皇陛下もお乗りになられていた2代目の「かっこインテグラ」
そして、国産車のヴィンテージイヤーである1989年4月に映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で主役を演じたマイケル・J・フォックスがTV-CMで話す「かっこインテグラ」がキャッチフレーズの2代目インテグラが登場。
このモデルは上皇陛下が免許証を返納されるまでお乗りになられた最後の愛車(ガンメタの1991年式RXi、MT)としても知られている。
ベストカーweb掲載の過去記事、宮内庁から回答「天皇陛下の愛車は「キャブ車」だった!? いまなお愛用される陛下の愛車に迫る
3ドアクーペと4ドアハードトップの2つのボディタイプを用意したインテグラは、外観には、サッシュレスドアや大型三次曲面ガラス、スリムピラーなどを採用。徹底したフルフラッシュサーフェス化によりスポーティで洗練されたフォルムを主張している。
またスポーティな走りと快適な乗り心地を生む4輪ダブルウイッシュボーンサスペンション(リア はマルチリンク式)を全車に採用した。
注目はエンジンで、上級グレードのXSiとRSiには最高出力160psを発生する1.6L直列4気筒DOHC VTECを搭載。リッター当たり100馬力というハイパワーを達成し、自然吸気エンジンならではのシャープなレスポンスを発揮させながら、低・中速域でのトルク特性も妥協することなくレッドゾーンの8000回転まで一気に吹け上がっていく高速性能との両立をきわめて高いレベルで実現している。
当時1.5L直4SOHCエンジンを搭載したワンダーシビックに乗っていたが、友人のVTECエンジンを搭載したインテグラのどこまでも加速していくフィーリングには腰が抜けるほどのインパクトを受けたのを覚えている。DOHC VTECに加えて、1.6L直列4気筒DOHC16バルブエンジンを採用し、電子燃料噴射システム仕様とデュアルキャブ仕様を用意していた。
当時のホンダの資料にはDOHC VTECについてこう書かれている。
”エンジン性能に大きく影響を与える、バルブタイミング(開閉時期)とバルブリフト量(開く高さ)に着目。実用エンジンのバルブタイミング・リフトと、レース用エンジンにも迫るバルブタイミング・リフトを併せ持ち、運転条件に応じて自動的に切り換え、低・中速性能を犠牲にすることなく、高回転・高出力が引き出せる世界初の可変バルブタイミング・リフト機構を開発。DOHC VTECとしてこのインテグラに初搭載した。
このDOHC VTECは、通常のDOHCエンジンに対し、吸・排気側それぞれにもう1つのカムとロッカーアームを備えていることが大きな特徴であり、吸気側3個、排気側3個のカム駒にそれぞれ異なるプロフィールを持たせ、中央を高速用カム、両脇を低速用カムとして設定。 この2種類のカムは、エンジン回転速度・エンジン負荷・車速などをECU(エレクトロニック ・コントロール・ユニット)でセンシングし刻々の運転状況に応じて油圧ピストンを作動。瞬時 に高速時と低速時、それぞれに最適なバルブタイミングとリフト量を切り換えるものである。
これにより、ターボチャージャーなどの過給機付にはない自然吸気ならではのシャープなレスポンスを発揮させながら、リッターあたり100馬力、排気量1.6Lで最高出力160馬力の驚異的なハイパワーを達成。しかも、低・中速域でのトルク特性も妥協することなくレッドゾーン8000回転まで一気に吹け上がっていく高速性能との両立をきわめて高いレベルで実現。”
なお、このエンジンを成立させるため、レーシングエンジンにも匹敵する超精密鏡面仕上げクランクシャフト、新高強度・細軸バルブ、ピストン冷却オイルジェットなど、超精度の加工技術や数々の新素材を投入し高い信頼性を達成した。
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