常識が非常識になることも…間違った使い方をしがちなクルマの装備やマナー

オートライトの過信は禁物! 「思いやり消灯」は違反!!

意外な勘違いも!? 間違った使い方をしがちなクルマの装備、総点検
オートライト装着車の場合、ウインカーレバーに今まであった「OFF」がなくなり、点灯解除をできないしくみ。ただし、過信は禁物だ

 道路交通法の改正により、新型車は2020年4月から、継続生産車も2021年10月から、オートライトの装着が義務づけられた。

 改正前から交通死亡事故発生時間帯が、17時から19時台、いわゆる薄暮時であることから、その前からヘッドライトを点灯する「早め点灯」が推奨されてはいた。とはいえ、明るさの度合いの感じ方には個人差がある。つまり、改正は点灯のタイミングをドライバーの感覚に頼るという曖昧性を排除するための策と言えるだろう。

 しかし、オートライトライトに頼りっきりというのは避けたい。というのも照度センサーの性能にはバラつきがあり、オートにしているのにもかかわらず周囲が暗くなり始めても点灯しないケースもあるからだ。そのため、オートライトを過信せず、点灯タイミングが適切ではないと感じたらマニュアル操作で点灯させる必要がある。

 点灯タイミングに違和感を感じるようなら、販売店などに相談して点灯タイミングを調整してもらおう。

 ちなみに、オートライトライトなしのクルマに乗っている人は、交通量の多い明るい幹線道路などでは点灯忘れに注意したい。無灯火による違反点数は1点、反則金は大型7000円、普通および2輪車で6000円、小型特殊、原付で5000円と規定されている。

 また、ひと昔前は常識だった、信号などで停車した時に消灯する「思いやり消灯」は違反となるので注意しよう。

視界不良時以外のフォグランプ点灯は大迷惑

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視界不良の時には威力を発揮するフォグランプだが、天候が良い時の使用は危険だ

 フォグランプの本来の目的は、濃霧や豪雨、吹雪など、視界が極めて悪い状況下で対向車や後続車のドライバーに自車の存在を知らせるもの。そのため視認性の高い光を発するライトとなっており、視界不良時の事故を防ぐ効果は高い。

 その反面、晴天時に点灯すると対向車や後続車のドライバーの視界を妨げ、事故を誘発する可能性がある。そのため、悪天候時以外の使用はマナー違反だ。

 また、フォグランプは道路運送車両法においては「ヘッドライト点灯時にのみ灯火可能、ヘッドライト消灯時は灯火不可」と規定されているため、フォグランプのみの使用はNG。ヘッドライトを点灯せずスモールランプとフォグランプのみで走行すると無灯火と見なされ、違反点数、反則金が科せられる。

ルームランプを点灯したままの運転は超危険!

意外な勘違いも!? 間違った使い方をしがちなクルマの装備、総点検
車内が明るいままで走行をすると暗い車外の様子が見づらくなる。突然の飛び出しなどにも対応できなくなってしまう

 ルームランプをつけていると違反切符を切られると聞いたことがある人も多いだろうが、これは嘘。口頭注意を受ける可能性はあるが、違反ではないのだ。

 ただし、室内灯をつけっ放しにすると、瞳孔が収縮して暗い車外が見えにくくなってしまうため、非常に危険だ。また、室内灯がガラスに反射することで車外が見えにくくなってしまうこともある。それで事故を起こした場合は、「安全運転義務違反」に問われる可能性があるので注意したい。

たった1回の威嚇パッシングで一発免許取り消しも!

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お礼パッシングも、威嚇行為と勘違いされることもあるので、パッシングはコミュニケーション手段として使用しないほうが無難

 パッシングはドライバー間のコミュニケーションの手段として多用されている。道を譲る時の意思表示や、譲ってもらった時のお礼など、有益と思われる使い方も多い。しかし、特に高速道路などで目にすることが多い「道を譲れ!」という意思表示のパッシングは絶対にNG。

 2020年6月30日に改正された道路交通法では、執拗なパッシングは、妨害(あおり)運転の対象となる違反行為の中の「減光等義務違反」になり、認定されれば厳罰に処せられる可能性がある。

 ご存じのように、あおり運転はかなりの厳罰で、妨害を目的としたあおり運転を行っただけでも、刑罰が3年以下の懲役、または50万円以下の罰金、行政罰が違反点数25点の免許取り消し(欠格期間2年)という厳罰が科せられる。さらに、妨害を目的としたあおり運転により、相手に交通の危険を生じさせたと認定された場合は、5年以下の懲役、または100万円以下の罰金、違反点数35点の免許取り消し(欠格期間3年)というさらに重い懲罰が科せられる。

 たった1~2回のパッシングでも、相手が運転ミスを犯して事故を起こしてしまったりしたらアウト! その事故の原因があなたの行ったパッシングであると認定されれば、”執拗”ではなかったという主張が却下されることも十分に考えられるのだ。

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