■ラゲッジはスペースは決して広い訳ではないが、実用性は充分
●実用性&インテリア
GRヤリスのリアシートはボディ後方に行くに従ってルーフが下がるデザインなので、頭上空間こそ狭いが、この点以外は2人が充分乗れ、実用的だ。
ラゲッジスペースはGRヤリスの1.6Lターボ+4WDはリアにバッテリーを積むこともあり、174Lと狭く、筆者がクルマに常備しているモノを積むと、それで3分の1程度を占めてしまう。それでも大きめのスポーツバッグひとつは積め、さらにリアシートを倒せばリアシート部分に自車のタイヤ4本が積めるのも確認しており、充分だ。
実用性をまとめると、単身者の筆者には申し分なく、取り回しを含めジャストサイズといえる。
インテリアで不満なのはメーター内に液晶で表示される油温計が小さくて見えない点だ。この点はGRヤリスには競技ベースのRC以外DA(ディスプレイオーディオ)というモニターが装備されるのだから、DAのなかにターボのブーストも含めた走行情報、特に水温、油温は数字で表示される機能が欲しく、そういったアップデートがあれば嬉しい。
●燃費
GRヤリスの実用燃費はアイドリングストップオフで乗って、市街地9~10km/L、郊外12~13km/L、総合すると12km/Lといったところだ。この燃費は筆者が自分のものにしたことがあるスポーツモデルと比べると初代86前期型の5%落ち、2.4LNAの現行BRZと同等で、性能を考えたら不満はない。
■不満はあるが、買ってよかった!
●そのほかの不満、総括
ここまでで挙げた以外の不満は何度か書いている着座位置の高さと、法規の厳しさもあり3000rpm以下のエンジン音&排気音が小さいことが原因と思われる、普通に乗っている時の楽しさ、ワクワク感が薄いことだけだ。
このあたりはシートとマフラーの交換で対応できそうなので、総合すると筆者のGRヤリスは40歳のメモリアルとして覚悟を決めた買ったクルマだったのもあり大満足で、「買ってよかった!」と断言するし、欲しいなら自分のものにすることを大いに薦める。
■GRヤリスの販売状況
まず、GRヤリスは日本で発売から今年9月までに約1万台が販売され、その内訳は、
・パワートレーン 1.6Lターボ+4WD 70%:1.5LNA+CVTのRS 30%
RSも意外に売れているようだ。
・人気ボディカラー プラチナホワイトパールマイカ
・人気メーカーオプション 予防安全パッケージ
ここにグレードはRZハイパフォーマンスが一番人気という要素を加えると、前述した筆者のGRヤリスはド真ん中のGRヤリスである。
続いて、9月までのグローバルでの販売台数は
日本 約1万台
欧州 約9500台
豪州 約2100台
その他 約1100台
合計 約2万2700台
グローバルでの販売台数を見ると、やはりこういった本格的なスポーツモデルを欲しい人は世界中にそれなりにいて、GRヤリスはそういった人たちに向けに充分売れていると言える。
■ホモロゲーション取得の真偽は!?
GRヤリスは国際ラリー参戦ベース車という生い立ちもあり、冒頭に書いたホモロゲーション取得は非常に重要である。GRヤリスは一部で「ホモロゲーションを取得した」という情報もあるが、そのわりにはそういった発表はない。
このあたりに関してトヨタGR広報部に確認してみたところ、「今年10月でホモロゲーション取得に必要な2万5000台の生産はクリアしており、それに伴い現在FIAに申請中です」とのことで、めでたい。また、購入という形でホモロゲーション取得に微かには貢献している筆者も、オーナーとして大変嬉しい。
ただ、「WRCで現在WRカーとなっているトップカテゴリーの規定が2022年からラリー1という市販車との関係がほとんどなくなっているのに加え、ハイブリッドカーとなるので、ホモロゲーション取得の意味は?」と感じる人もいるだろう。
また、「WRCのトップカテゴリーが2022年から前述の新規定になるため、そもそもGRヤリスの現行のWRカー規定で走れる可能性があったのは今シーズン後半だけだった。それがなくなったのに加え、今年のラリージャパン開催も見送られたのを見ると、GRヤリスは悲運だ」と思う人がいるのもわかる。
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