クルマ好きなら一度は「EDR」とか「CDR」という言葉を聞いたことがあるのではないだろうか。EDRは車両の事故情報を記録する「イベント・データ・レコーダー」の略、CDRはEDRの記録読み出しに使われるデバイスの総称である(クラッシュ・データ・リトリーバル)の略だ。
ここにきてようやく日本でも、この「CDR」や「EDR」が注目され始めている。事件発生からおよそ2年半が経過した2021年9月2日。母子2人を含む計11人を巻き込んだ、いわゆる「池袋暴走事故」の判決が言い渡された。
この判決では、事故を起こした車両に記録されていた「EDR」のデータが動かぬ証拠として採用されている。
いまでも毎日のように全国各地で交通事故が発生しているが、これも「EDR」に記録されたデータを読み出ることができれば、事故そのもののプロセスを科学的かつ客観的に解明できるのだ。
国土交通省は2021年9月30日、このEDRの装備を義務化する保安基準の一部改正を実施したと発表、乗用車と車両総重量3・5トン以下の貨物車がEDR義務化の対象となり、2022年7月以降の新型車から適用する。
なお、記録内容のうち、衝突被害軽減ブレーキの作動状態は2024年7月から、継続生産車は2026年7月以降が対象となる。そこでこのCDR、EDRとはどんなものなのか? 事故の際に、どうやってCDRやEDRが役立てられるのか? ボッシュ認定のCDRアナリストである、池畑浩氏が解説する。
文/ボッシュCDRアナリスト&自動車相談員・池畑浩
写真/池畑浩、トビラ写真(Adobe Stock@Caito)
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