ほかのクルマじゃダメなんだ!「孤高のポジションにある日本車たち」

 GT-Rは次期モデルが不透明なこともあり、現行GT-Rが欲しいなら新車、中古問わず、とりあえず自分のものにしておくべきだろう。

日産の誇り「GT-R」のエンブレム下には、この15年間常にあるべき姿を磨き込んできた証として「T-spec」のエンブレムがさりげなく追加されている
日産の誇り「GT-R」のエンブレム下には、この15年間常にあるべき姿を磨き込んできた証として「T-spec」のエンブレムがさりげなく追加されている

●マツダロードスター

ロードスターも初代登場からすでに30年以上が経過。その間日本のライトウェイトスポーツの伝統をぶれることなく守ってきた。昨年12月登場の「990S」はその名のどおり、車重わずか990kg! である 
ロードスターも初代登場からすでに30年以上が経過。その間日本のライトウェイトスポーツの伝統をぶれることなく守ってきた。昨年12月登場の「990S」はその名のどおり、車重わずか990kg! である 

 1989年に初代モデルが登場したロードスターは、FRのコンパクトなオープン2シーターというオーソドックスなスポーツカーである。初代ロードスターの成功により、多数のフォロワー(後追い)も登場したが、そのなかで現在も継続しているのは片手ほどしかなく、ロードスターは初代モデルから現行型4代目モデルまで30年以上ユーザーを裏切ることなく継続されていることだけでも奇跡のような存在だ。

ロードスターの需要は世界的に高く、そのなかで電動トップの要望が強い北米向けのモデルとして設定されたのが「RF」だ。幌仕様の1.5Lエンジンに対し2Lエンジンへ換装するなど独自性も高い
ロードスターの需要は世界的に高く、そのなかで電動トップの要望が強い北米向けのモデルとして設定されたのが「RF」だ。幌仕様の1.5Lエンジンに対し2Lエンジンへ換装するなど独自性も高い

 さらに、ここに挙げたクルマ同様に、ロードスターのように現実的な価格かつFRでコンパクトなオープン2シーターのスポーツカーというのは、世界広しといってもロードスターしかない。

 なお、ロードスターは昨年12月16日に一部改良が施され、車重990kgの特別仕様車「990S」や、「RF VS Terracotta Selection」が追加されている。

2022年モデルでは「KPC」と呼ばれる、高速域でも日常領域と変わらない姿勢の安定化を図るデバイスが追加された。「人馬一体」のコンセプトをより具現化したマツダのこだわりを感じる
2022年モデルでは「KPC」と呼ばれる、高速域でも日常領域と変わらない姿勢の安定化を図るデバイスが追加された。「人馬一体」のコンセプトをより具現化したマツダのこだわりを感じる

今人気のSUVにも孤高のモデルは存在する!!

●三菱デリカD:5

 デリカは2代目モデルのスターワゴンから「ミニバン(かつては1BOXカー)を軸足に、悪路走破性をはじめとしたSUVの要素も濃厚に備える」というコンセプトを一貫し、このことは現行モデルのデリカD:5にも強く受け継がれている。

 デリカD:5は2007年登場とさすがに古さが否めなかったが、2019年の超ビッグマイナーチェンジで内外装の変更だけでなく、自動ブレーキ&運転支援システムの搭載、2.2リッターディーゼルターボの改良などを行い、商品力を向上。

同世代のSUVだったランクルが300系へスイッチし、より孤高感が高まった「デリカD:5」。7~8人が無理なく乗れ、クロカン走行も難なくこなす実力の高さは一線級でありファンの心を離さない
同世代のSUVだったランクルが300系へスイッチし、より孤高感が高まった「デリカD:5」。7~8人が無理なく乗れ、クロカン走行も難なくこなす実力の高さは一線級でありファンの心を離さない

 さらに、デリカD:5のようなクルマはニッチなモデルであることに加え、デリカD:5のように1台特出したクルマがあるとライバル車が参入しにくいという強みもあり、孤高の存在が続いている。

マイナー実施当初は物議を醸したダイナミックシールド顔だが、その力強い顔つきに負けず、機能性も大幅に向上されたことにより、今では日本販売における三菱車の「顔」になっている
マイナー実施当初は物議を醸したダイナミックシールド顔だが、その力強い顔つきに負けず、機能性も大幅に向上されたことにより、今では日本販売における三菱車の「顔」になっている
どんな道でも安心して運転できる。パッセンジャーも安心して任せられる。そんなクルマはなかなか存在しない。三菱がニーズを理解し、熟成させたことが変わらぬ人気に繋がっているのだろう
どんな道でも安心して運転できる。パッセンジャーも安心して任せられる。そんなクルマはなかなか存在しない。三菱がニーズを理解し、熟成させたことが変わらぬ人気に繋がっているのだろう

●スズキジムニー&ジムニーシエラ

ジムニーが孤高たる所以は、軽規格というかぎられたスペースに悪路走破性の機能を極限まで詰め込んだことだ。ライバルも存在したが直球勝負はできず、ジムニーの隙を突こうとしたが自滅した
ジムニーが孤高たる所以は、軽規格というかぎられたスペースに悪路走破性の機能を極限まで詰め込んだことだ。ライバルも存在したが直球勝負はできず、ジムニーの隙を突こうとしたが自滅した
ジムニー&ジムニーシエラ。軽サイズのジムニーをベースに輸出仕様となるシエラがある。長年<br>この構図は変わらなかったが、今度はシエラから派生モデルが出るとの噂が絶えない
ジムニー&ジムニーシエラ。軽サイズのジムニーをベースに輸出仕様となるシエラがある。長年
この構図は変わらなかったが、今度はシエラから派生モデルが出るとの噂が絶えない

 本格コンパクトオフローダーのジムニー&ジムニーシエラは、ボディサイズこそランドクルーザーと対極な、現代のクルマとしてはシンプルかつスパルタンなクルマだが、コンセプトや悪路走破性はランドクルーザーに近い孤高の存在だ。

 「日本でジムニーが本当に必要な人が何人いるのか?」と言われると、それは少数だと思う。それでもジムニーがいまだ納車まで時間のかかる超人気車となっているのは200万円程度の現実的な価格ながら、どんなことにせよ本物、世界トップクラスのものが手に入るという魅力が購入を強く後押ししているためだろう。

■孤高のクルマは意外に存在! 自身のこだわりに合うクルマに出会えるかも!?

 ここまで挙げたクルマ以外にも孤高の存在と言える日本車は、フルサイズミニバンのトヨタグランエース、高い格式のあるショーファードリブンカーのトヨタセンチュリー、正規販売の形で買えるピックアップトラックでは日本唯一のトヨタハイラックス、ミドルクロスオーバーながらSUV以上の悪路走破性を持つスバルXVなど、探せばまだある。

トヨタ「センチュリー」日本で唯一のショーファードリブンカーだ。豊田佐吉翁生誕100周年に誕生後、他社の同種のクルマが消滅するなか、独自の世界観を創出し続けたことで孤高の存在となった
トヨタ「センチュリー」日本で唯一のショーファードリブンカーだ。豊田佐吉翁生誕100周年に誕生後、他社の同種のクルマが消滅するなか、独自の世界観を創出し続けたことで孤高の存在となった

 孤高の存在となっているクルマたちは指名買いが多いだけに、メーカーにとっては大事な存在だ。孤高のクルマたちは増やすのは難しいことにせよ、孤高のクルマが増えればメーカーのブランドイメージ向上や体力強化に大いに貢献するに違いない。

【画像ギャラリー】一本筋の通ったクルマは素敵で無敵!! 孤高なクルマ特集!!(27枚)画像ギャラリー

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