新生C4が上陸! 新世代シトロエンの主役はファストバックなクロスオーバーに

■使い勝手のよさと快適な移動空間を両立

 インテリアにもシトロエンらしさを発揮する。その象徴となるのが、アドバンスドコンフォートシート。ソファのようなボリューム感ある表皮デザインの内側には厚手のパッドを内蔵。シトロエン専用のPHCを備えた足回りと相まって、極上の乗り心地を提供する。それはかつて魔法の絨毯と称されたハイドロニューマチック・サスペンションを彷彿とさせる。

シトロエン独自の哲学に基づいた快適なシートを備えるインテリア。長距離移動でも疲れ知らずだ
シトロエン独自の哲学に基づいた快適なシートを備えるインテリア。長距離移動でも疲れ知らずだ

 コックピットは質実剛健な作りで、運転に必要な情報を瞬時に把握できるデジタルメーターパネルやヘッドアップディスプレイ、android AutoとApple CarPlayに対応する10インチのタッチスクリーンなどを備える。エアコンなど瞬時に操作が必要なボリュームやエアコンパネルは、メカスイッチをしっかり残すなど合理的な設計だ。

 先進機能も充実しており、ACC、渋滞時追従支援、衝突被害軽減ブレーキ、標識認識機能、オートハイビーム、後側方接近車警報、車線逸脱支援及び警報、前後パーキングセンサー、バックカメラなどを全車に備える。

■好みで選べるパワートレーン

 パワートレーンは、ガソリン、クリーンディーゼル、EVの3つから選択できるのもC4の特徴のひとつ。装備レベルを差別化するのではなく、好みや用途に合わせた選択ができるようにトリムレベルもほぼ同等。ただし、受注生産車となるエントリーグレードは、ガソリン車のみに用意される。

 ガソリン車は、1.2L3気筒ターボと8速ATの組み合わせ。最高出力130ps/最大トルク230Nmと必要十分な性能を備える。燃費消費率(WLTC)は、17.7km/Lとなる。パワフルで燃費にも有利なクリーンディーゼルは、1.5L4気筒ターボエンジンと8速ATの組み合わせ。

 最高出力130ps/最大トルク300Nmを発揮する。燃費消費率(WLTC)も、22.6km/Lとガソリンを上回るので、ロングドライブ派に最適といえよう。いずれも前輪駆動車となる。

 シトロエンとして日本初導入となるEV「E-C4」は、最高出力100kW(136ps)/最大トルク260Nmの高出力モーターを搭載し、前輪を駆動。駆動用バッテリーには、50kWの大容量リチウムイオンバッテリーを搭載。航続距離(WLTC)は、405kmを確保しているため、ロングドライブにも対応できる性能を持つ。

駆動用バッテリーはキャビン下に備えるので、室内の使い勝手はエンジン車と同等だ
駆動用バッテリーはキャビン下に備えるので、室内の使い勝手はエンジン車と同等だ

 充電方式は、200Vの普通充電とCHAdeMO規格の急速充電に対応。普通充電での場合、3kW出力のコンセントで満充電までに約18時間、6kWのウォールボックスの利用だと満充電までに約9時間となる。

 ただし、3kW出力でも50km走行分の電気ならば約3時間で蓄えることができる。さらに急速充電ならば、約50分で約80%までの回復することが可能だ。またモーター性能をドライブモードで選択し、エネルギーを温存できるのもユニークなところだ。

■現実的なエンジン車か、環境性能を重視したEVか

 価格は同じトリムレベルとなる「シャイン」で比較すると、ガソリン車が325万円。クリーンディーゼル車が345万円。EVが465万円となる。補助金や減税などを考慮しても、乗り出し時の費用は、確かにEVのほうが大きい。

 しかし、EVではオイル交換が不要など、メンテナンス費が圧縮できる点もあり、エネルギー費用も使い方で変化する。街乗り、ロングドライブ、環境、優先する項目がはっきりと定まっていれば、ベストな選択をすることができる。ただ、個性的なスタイルに惚れ込んだ人は、最も手頃なガソリン車を選ぶのが、最も満足度は高いだろう。

好みに合わせた選択がしやすいようにEVの「E-C4」のビジュアル的な差別化は少ない。<br>
好みに合わせた選択がしやすいようにEVの「E-C4」のビジュアル的な差別化は少ない。

【画像ギャラリー】スタイリッシュに生まれ変わった新生C4の魅力

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