■悪路走破性は一番高いのはどのクルマ?
三者三様の機構を長々と説明してきたが、悪路走破の基本は複雑なメカの機構や電子制御ではなく、ロードクリアランス(最低地上高)と3アングル(アプローチアングル、ランプブレイクオーバーアングル、デパーチャーアングル)『※ページ後半のスペック表参照』、そしてサスペンションストローク量だ。
これらはどれも4輪の接地性を確保するための性能だ。悪路走破にとって車輪が浮いて空転してしまうことこそ最も避けたい事態。ラングラーの写真を見ればわかるが、まるで顎が外れたかのごとく片側が垂れ下がる前輪はとにもかくにも接地のためだ。接地してさえいれば前へ進むことができる。
3車種はこれら基本性能がすこぶる高いため、圧倒的な悪路走破性を誇る。では3車種のうち最も悪路走破性が高いのはどれか?
機構面ではリアとフロントのデフロックを備えるGクラスとラングラーがジムニーを一歩リードする。だがジムニーのコンパクトさと軽さはGクラスとラングラーが逆立ちしてもかなわない性能といえる。
ジムニーは機構が複雑でない分、故障の要素も少なく、故障しても修理しやすい。この観点からするとジムニー、ラングラー、Gクラスの順となる。
■総合的なナンバー1を決めるのは難しい……
またルビコントレイルのような岩場ではロードクリアランスを確保しやすい前後リジッドのラングラーとジムニーがフロント独立懸架のGクラスを一歩リードすることが予想される。ただし高速安定性や快適性などはGクラスの圧勝。ただし燃費はジムニー。
カスタマイズパーツの豊富さはラングラー……。うーん、それぞれに得意分野があり、総合的なナンバー1を決めるのは難しい。が、この3車種を超える悪路走破性を誇るオフローダーは(ほぼ)存在しない。3車種を脅かすことができる存在があるとしたら、1、2年以内に復活することが決まっているランドローバー・ディフェンダーくらいだろうか。
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