VFRは初代から36年、対策が困難で需要もダウンしていた
VFR800Fに関しても、直接の先祖は1998年のVFR(RC46)だが、源流は1986年のVFR750F(RC24)にまで遡る。RC24で180度クランクシャフトを採用し、1990年のRC36でヘッドを新設計。1998年のVFR(RC46)でFI、2002年にVTECを獲得している。
2001年型までは、カムの駆動に一般的なチェーンではなく、歯車(ギア)を用いたホンダ自慢の「カムギアトレーン」を採用。高回転域でも駆動ロスが少なく、現在のモトGPマシンにも導入しているハイメカだ。車体に関しても片持ちスイングアームのプロアームなどを採用し、一時期までホンダの技術を結集した先進ツアラーとして君臨した。
しかしV4というエンジンレイアウトは、排ガス対策が難しい。リヤバンクのシリンダー周りを冷却するのが困難なため、緻密な熱管理ができず、排ガス規制の対象となる有害物質を抑えにくい。
また、VFRはスポーツツアラーの需要が高い欧州などでセールスが好調だったが、近年は需要がダウン。アドベンチャーであるVFR800Xもヒットには至っていなかった。なおVFR1200F、VFR1200Xといった1200ccV4マシンも存在したが、国内では2016年に生産終了している。
CBは予約が殺到しており、既に購入できない可能性が高い
現在のところ、残念ながらCB400SF/SBとVFR800シリーズに関する後継モデルの情報はない。CB400SFに代わる教習車も未発表だ。
現行CB400SF/SBに関しては、販売店によると「既に各店舗への割り当て台数が決まっており、新規注文しても買えない可能性が高い」とのこと。既に予約自体を受け付けていないショップも多い。今後の増産も難しいようだ。
長年愛されてきたモデルだけにファイナル仕様を用意してほしかったところだが、情報筋によると「通常モデルの生産が手一杯で難しい」とのこと。また、スーパーボルドールよりスーパーフォアの方がより入手が難しいようだ。そして中古車相場も上昇しており、新車に近い状態のタマだと130万円の値をつけるケースもある。
VFRシリーズに関しては、探せば店頭在庫がある模様。ただし状況は流動的なので、欲しい人は早めに動きたい。
――SR400、セローらに続いて、偉大な名車がまたしても消えることになった。転換期を迎えている二輪四輪だけに仕方ないのかもしれないが、これから新たな名車が生まれることを願いたい。
なお、今回の発表に合わせ、「レブル1100」の受注一時停止もアナウンスされた。こちらは新型コロナによるロックダウンや、世界的な海上輸送・港湾の混雑、半導体供給不足などの複合的な要因で、入荷見通しが不透明なため。また、令和2年排ガス規制が迫る中、現行モデルの注文が生産計画に達したため、受注を一時停止するという。
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