【絶滅か!? 進化か!?】ニッポンのガラパゴス変速機「CVT」の行方


■今後HV、EVが増えるにつれCVTは姿を消していく

CVTもモーターを組み込むなどのハイブリッド化が進められているが、電動化との相性がいいのはむしろAMTや従来のATだ。

そう考えると、これからますます燃費や排ガス規制が強化され、パワートレーンの効率化は追求されていくから、日本でもCVTは徐々に減っていくことになりそうだ。

中型車以上のCVTはここ5年〜7年くらいで姿を消す可能性が高いが、1〜1.5Lクラスや軽自動車は、10〜15年は使われ続けるだろう。

しかしハイブリッドとの組み合せ、もしくはEV化で姿を消すのは、残念ながら避けられそうにない。

■CVT、AT、DCT、AMTの長所と課題

最後に各トランスミッションの長所と課題を挙げたので読んでいただきたい。

■CVT
●構造上の特徴
1対のプーリーに金属ベルトを配置し、プーリの幅を変化させることで、ベルトの巻きかけ半径を変化させて減速比を連続的に変化させる。
●長所
構造がシンプルで軽量。変速時に駆動力が途切れないシームレスな変速を実現。変速比が大きく、巡航時の燃費性能が高い。
●課題
摩擦で駆動力を伝えるため、歯車より駆動損失は大きい(85%前後)。ベルトを挟み込むため、高い油圧が必要になる。停止直前には、発進時に備えて減速比を大きくしておく必要がある

■AT
●構造上の特徴
遊星歯車機構を制御することで変速する。歯車それぞれに多板クラッチを配置し、変速時に段階的に切り替え、スムーズな変速を実現する。
●長所
多板クラッチをスムーズに切り替えることでシームレスな変速を実現。トルクコンバーターのロックアップ領域を高めたことで駆動損失を抑えた(90%前後)。変速は副変速機的に利用できるため多段化に有利。多段化により変速比は非常に大きい。
●課題
変速機の中で内部構造が最も複雑。多段化が進んでおり、構造は複雑化している。質量増やコスト高になっている。

■DCT
●構造上の特徴
MT同様、1対の歯車の組み合わせを各段ごとに変更することにより変速。偶数段、奇数段それぞれにクラッチを与え、クラッチを切り替えることで変速する
●長所
MTと比べオイルポンプが必要な程度で損失が少ないため、駆動効率は極めて高い(乾式クラッチで95%前後、湿式クラッチで90%前後)。二つのクラッチの切り替えをスムーズに行なうことで、ほぼシームレスな変速を実現。
●課題
湿式クラッチを採用したDCTは、油圧のための損失に加え、クラッチの滑り、引き摺り抵抗による損失が発生する。多段化する場合、歯車の増加とともに、容積や質量が増える

■AMT(シングルクラッチMT)
●構造上の特徴
MTと同じ平行軸歯車を電子油圧制御により操作することで変速。クラッチもMTと同じ乾式単板を電子制御で断続させる。
●長所
構造がシンプルで低コストかつ小型軽量。オイルポンプの損失も少なく、伝達効率はほぼMT並みを誇る(97%前後)。副変速機を搭載すれば、多段化を一気に実現できる。
●課題
変速が緩慢でスムーズさに欠ける。その一方、変速の応答性を高めるとショックが大きくなる。スムーズに変速するためにはMT並みに運転者にスキルが要求される