■電子制御でオフロードがもっと身近になった
ジムニーシリーズ初めての、キーレスエントリーである新型ジムニーのエンジンをかける。ボディマウントの改良やボディの改善により、静粛性が向上、今までのジムニーとは異次元の感覚。
基本レイアウトや見た目は同じでも、20年の進化には驚かされる。オンロードでの乗り心地は素晴らしい。
旧型JB23は、ノーマルのサスペンションは、4人乗れば安定するのだが、一人乗車だとピッチングやローリングが大きく、大変乗り心地が悪く、コイルスプリングのフワフワ感が鼻につくものだった。
それが、新型ジムニーでは全くない。すばらしい、セッティングである。しかし、重量に関しては、JB23が980kgに対して、JB64は1040kgと60kgも重くなり、軽快さはスポイルされた。
また、アクセルワイヤーがなくなり電子での操作になり、アクセルぺダルを踏み込んだ時のレスポンスが低下したのは残念なところである。
さっそくオフロードに乗り入れてみる。不整地で一輪が浮くような状態になると、まずタイヤが空転する。
その後2秒くらいしてブレーキLSDが作動して、タイヤのスリップがなくなり、車は前進する。
トラクションコントロールの素晴らしさに驚く。不整地での新型ジムニーの走破性はとても高くなり、以前のモデルとは比較にならない走破性を持った。
ヒルクライムの途中で、ブレーキからアクセルに踏みかえると、約2秒ブレーキが働き、車体が後退しない機能がついている。これは、ヒルホールドコントロールと言われるもので、スムースな発進が可能となる。
またヒルディセントコントロールは、急なくだり坂でブレーキを自動制御することで車両の速度をおさえて、定速走行を可能にする。
このため、ドライバーはハンドリングに集中すればよく、各段に運転が容易になっている。
前述したヒルホールドコントロールとヒルディセントコントロールは、それぞれにスイッチがついていて、これをオンオフすることで、自分の好みのドライビンができるという高度な次元の運転操作ができることになった。
実際、オフロード走行で、これらのスイッチを最適に使いこなすにはどうしたらいいのか? と疑問がわくところもなくない。
しかし、これらの電子でデバイスの進化により、オフロード走行の経験のない人でも、容易にオフロードを走れてしまうようになったのは事実である。
新型ジムニー、恐るべしである。
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