ジムニーのプロが激白 「新型ジムニー恐るべし」悪路で真価を発揮!! 

■ジムニーとシエラのメリット、デメリット

今度のシエラJB74は、ジムニーシリーズで最高の排気量である1500ccのK15Bエンジンを手に入れた。

旧型のシエラJB43は1300ccのM13Aエンジンであったが、このエンジンはパンチに欠け、おとなしい性格のエンジンであり、低速トルクも少なくて慣れないと乗りにくいエンジンであった。

ところが、新開発のシエラのK15Bエンジンは、トルク感にあふれていて、低速から中速までが実によく、乗りやすい。

特にATとのマッチングは最高で、オンもオフもジムニーシリーズ最強のジムニーになったと思う。

シエラの1500ccのエンジンは大きな余裕をもたらせてくれた。シエラを積極的に選ぶ理由にもなりそうだ

またコーナリングでの安定性は、ジムニーシリーズ最良で、過去に例を見ないほどに安定している。

本当は、重心が高いはずなのに、1500ccクラスの乗用車と互角に走れるだろう。また、この安定性と、優れた動力性能はトレーラーの牽引にも、非常に向いている。

ただし、日本の林道などでは、シエラの車体の幅が、ジムニーよりも130mmも広いのは考え物。

軽自動車サイズのジムニーは通過できるが、シエラJB74は木にボディがあたり、行けないというシチュエーションは確かに存在する。

日本の林道には大きなサイズのシエラは厳しい。そこはジムニーに任せるべきなのだろう

日本の林道はどこでも、軽トラックが通過できる幅に整備されていて、タイヤ1本分広いと危ないという道路は多々見受けられるからである。

山岳地帯で、小さく軽いことのメリットは、はかり知れないのである。

狭いブッシュもすんなり通り抜けるジムニー。軽自動車規格を最大限に活用しており、生活必需品にもなっている

ジムニーとシエラ、これまでは少しの差であったが、外観こそ似ているが、違う車になったと断言していいと思う。新型ジムニーは、どちらも魅力に満ちている。


【著者について】

二階堂 裕(にかいどう・ゆたか)

1954年、北海道旭川市生まれ。海上自衛隊パイロットを経て、1982年にスズキに入社。スズキではエスクード開発にも従事。また日本ジムニークラブ設立にも貢献。

スズキ退社後の1994年、神奈川県厚木市に4WDショップである「アールブイフォーワイルドグース」を設立。

現在も同社代表取締役社長を務めるとともに、ジムニー専門誌『Jimny SUPER SUZY(SSC出版)』の発行人も務める。

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