■リーフNISMO RCの発売予定はなし!
ではこのリーフNISMO RCはいつ市販されるのだろうか? NISMO代表取締役兼最高執行責任者( COO)を務める松村基宏氏に直撃した。
「リーフNISMO RCの市販化の予定はいまのところありません。フォーミュラE選手権のほか、世界各国で行われる主要モーターショーやイベントで展示する予定です。6台作りましたが、2台は日本、2台は北米、2台は欧州に置いて世界各国で活用していきます」
実にもったいない! ではレースに出る予定もないのか、さらに聞いてみた。
「電気自動車のカテゴリーはいまフォーミュラEしかありません。このリーフNISMO RCを出して、プロモーション活動をして、お客様からの反響が大きければ、ワンメイクレースにしろ、新しいカテゴリーのレースにしろ、JAFに働きかけてカテゴリーを作るという動きになれば、将来的には市販されるかもしれません。充分、その可能性はあると思います。やっておかないとダメなんで、いまやっています」。
EVは、わからないことだらけなんですが、回生を含めて、エンジン車よりも細かくセッティングできるのではないかと思ってしまうのですが、リーフNISMO RCを一番速く走らせるには?
「コーナリングの限界まで回生して、そのドライバーのスキルとハンドル操作を計算すると、ベストタイムが出るように作れてしまう。その操作をしないとフロントにアンダーが出ていくことになるじゃないですか。ブレーキを追加でかけるとロックしてしまうことになります。それじゃあつまらないですよね。
FFベースの4WDだとフロントの重量が重いので、旋回性能をよくしたい場合、フロントの駆動力を抜いていかないとダメなんですが、このクルマの場合、リアが重いので有利なんですね。
実はもう1つ大きいモーターを付けられるように設計していますので、極端にリアの駆動を上げることも、やろうと思えばできます。でもバッテリーはあまり積まないほうがいいですね。重くなると運動性能にとっていいことはないですから。
将来的にどうなるか、現状ではなんともいえません。もしかしたら発売されるかもしれませんので期待していてください。このリーフNISMO RCに、松田選手、千代選手、高星選手が乗っていますが、みなさんに、ちょっとテクニカルだけどおもしろい、自分用に1台欲しい、とおっしゃっていただきました。レーシングドライバーにそう言っていただけるのは大変光栄です」
う〜む、これだけ完成度が高くおもしろいクルマなのに市販はおろか、ワンメイクレースもないとは、ほんとに残念だ。
最後にNISMO代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)の片桐隆夫氏にリーフNISMO RCや今後のNISMOはどうなっていくのか、お話を伺った。
「今後のNISMOの商品戦略については、細かく話すことはあまりできませんが、とにかくこれからますます力を入れていきます。2017年4月から、オーテックジャパンのなかにNISMO事業部を作り、グループのなかから、得意な人を60人ほど集めました。
おかげさまでNISMOブランドは日本では認知していただいているのですが、グローバルではまだまだです。グローバルの認知度をさらに広めたいと思っています。
もちろん、日本でも力を入れていきます。夢だったのが現実的にできる、紙の段階で終わっていたものが、今、技術的にいけるところまで来ています。
通っていないモノもたくさんあります。詳しくはお話しできませんが、ハイパワーなものとか、電動化のものとか……。
現在、予定通りに進んでいて、計画に変更はありません。今後、オーテックは国内のプレミアムスポーツとして、NISMOはピュアスポーツとして力を入れていきますので期待していてください」。
力強いお言葉! 今後NISMOが作るクルマを期待して待ちたい!
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