■最近エンジンオイルなら冬場でも特に気にすることはない
さて、エンジンオイルにしても、今と昔では性能に雲泥の差がある。
エンジンオイルは熱が加わると「粘度」が低下するため、どれだけの温度変化に耐えうるかが示されている。
その表示がSAE 規格の「5W−40」といった粘度分類記号で、前半のW付きの数字が小さいものほど低温でも軟らかく、後半の数字が大きいほど高温に耐えられることを示している。
昔のクルマや外車ではヒートぎみになる夏場の熱対策としてその数値が大きい固めのオイルに、冬は回転抵抗が少なくてセルを回しやすい柔らかめと使い分けることもあった。
API規格のSH級から定義されだした近年の省燃費オイルは「0W-20」など超低粘度ながら熱にも強いため、現在、主流のSN級、GF5といった省燃費オイルの指定が一般的となっている最近のクルマで指定オイルを利用している限り、特に季節を気にする必要はない。
もしも冬場にセルの回りが悪くなったとしたら、それは電気を供給するバッテリーに問題があると思って間違いない。
■冬場に多い、イラッとする窓の曇り対策
外気と内気の温度差が大きく、かつ密閉された車内に乗員の吐く息で湿気が高まると、ウィンドウが一気に曇ってしまう。
このような時、カーエアコンの除湿機能を利用すれば瞬時に解消することできる。カーエアコンは温度を下げることなく湿気だけを取除く「除湿暖房」という機能があるからで、デフロスターもしくは暖房状態でエアコンをONにすれば機能するはずだが、メンテを怠っていると正常に働かないことがある。
近年の車両のカーエアコンには空気を濾過する「エアコンフィルター」が装着されているが、ここが汚れて目詰まりすると通気の悪化から風量・効き目の低下を招いてしまう。しかも、窓ガラスがより曇りやすくなり、異臭の原因となることも。
このため、年に1回交換する必要があるが、往々に放っておかれがち。クルマを入手してから1度も交換したことがなければ、ただちにチェックしたい。
また、エアコン動作時、冷気を造り出すエバポレーターは湿った状態となるため、細菌やカビが繁殖しやすい。
これこそがエアコン使用時の悪臭の原因で、暖気に混ざるとより臭く感じる。ホコリの侵入を防ぐ「エアコンフィルター」の普及でかなり抑制されるようになったが、それだけで完全には防ぎれないのが現実。
もしも悪臭が漂うようなら、フィルター交換のついでに市販のエアコンクリーナーを利用して洗浄しておきたい。
■LEDライトは要注意! 雪道での視界の確保!
愛車のヘッドライトに省電力のLEDライトが装備されていたり、ハロゲンバルブから新車検対応に対応し、実用的な明るさをも獲得した市販のLEDバルブに組み替えている人も多いこととと思う。
もしそうなら、降雪地域にドライブする、あるいは首都圏でも雪が降り出した時は注意が必要だ。LEDライトは従来のハロゲンライトに比べてライト内に熱がこもらないため、降雪時にはレンズに付着した雪が溶けずにビッシリ覆われやすく、走行中徐々に光量が低下してくるからだ。
このため、雪道の夜間走行時は定期的に停車してヘッドライトの雪を落とす必要がある。が、しかし、状況によっては凍り付いて簡単に落とせないことも……。
そこで、 万が一の際に備えて「解氷スプレー」を車載しておくことをおすすめする。また、目的外利用なためあくまで自己責任となるが、レンズ面にドアミラーの水滴付着を防止する「ミラーコート剤(蓮効果/ロータス効果で水滴を付着させないようにするケミカル)」を塗布しておくと効果的に防止できる。
なお、都心でも水が凍るほど外気温が下がると、降雪せずともウインドガラスが凍結する。そんな状態でヘタにウォッシャー液を噴射させると、氷の膜は厚くなるだけで事態はさらに悪化するので注意!
「解氷スプレー」の利用がもっとも簡単かつ確実な対処方ゆえ、そんな事態に備える意味でも車載しておくことをおすすめする。
また、「ガラス撥水剤」を塗布しておくと凍結しにくくなるので、まだ利用していなかったなら買っておくのも手だ。
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