■新井大輝選手が親父の仕事にモノ申す!!!
こんにちは、今回はTC380で高速と一般道、そしてワインディングを実際に走ってみて思ったことを読者のみなさんにお伝えしたいと思います。
まず、ノーマルのWRX STIと基本的に一番違うと思ったのは、エンジンの回転数というか、上がり方のスピードですね。
標準車はタービンの過給圧がかかってからピークに達するまでが短いのですが、TC380のほうはピークに達するまでの時間が長いので、そのギリギリまでずっと速度が伸びていくんです。だから、ぜんぜん問題なく、ストレスなくアクセルを踏んでいけるクルマになっていると思います。
尖ったクルマをほしいと思う人にもうってつけではあるのですが、かといって足回りのセットアップがそこまで尖っている印象はありませんでした。
わりと混雑した街乗りで40㎞/hくらいの速度で走っていると、ちょっと足が硬いかなと感じるかもしれないですけど、ふつうにストリートを流したり、ちょっとペースを速めに走りたい人にはまったく問題ないです。
それでいてサーキット走行もカバーできるようなクルマに仕上がっています。足回りとしては非常に乗りやすいセッティングになっていると感じました。
■圧倒的トルクで2000回転あれば6速走行OK
TC380は標準車からタービン、キャタライザー、マフラーを交換しているのですが、背圧が標準車に比較して上がっているからトルク感の向上もわかりますし、乗っていてエンジンパワーの下が抜ける感じがしないんですよ。
下から太いトルクでグワッと上がっていくので、極端に言ってしまえば6速でずっと運転できるというイメージですね。2000回転も回っていれば走れます。ふつうはちょっとした坂があったりしてなかなか高いギアのまま走るのは難しいのですけどね。
イメージ的にタービン交換したクルマって、もっとピーキーな特性だと思う人が多いかもしれませんが、ターボとECUのセットアップで過給圧の立ち上がりが緩くしてあります。
TC380は過給圧がピークに達するまでがゆっくりで、アクセルをベタッと踏んでもラリー車のように急激にバンッと非線形で過給圧が立ち上がるのではなく、線形でゆっくり過給圧が立ち上がるので、慣れていない人が乗ってもキレイに乗れると思います。
セットアップをかなりうまくやっているので、非常に乗りやすいクルマに仕上がっています。アクセルをギュッと踏んでバンッと過給圧が上がるのでなく、常に一定で過給圧が上がり続けるので、アクセル開度に依存していないんです。
■シビックタイプRとメガーヌRSと徹底比較
TC380はカリカリのチューニングを施したコンプリートカーではなく、方向性としては標準車をそのままアップグレードした感じです。
アップグレードしたところが尖っているのではなく、全体的にクルマとしての総合性が標準車から1ランク、いや2ランク上がっているのがTC380です。乗り心地も標準車のよさを残していますし。
ひとつ気になるのは、このクルマがディーラーのコンプリートカーとして出たことによって、今までSTIが販売してきたS208やタイプRA-Rよりかなり安くて、かなり速いってことです。
コストパフォーマンスは圧倒的です。でも、ディーラーがやってくれたからこそ、安心して乗れるんですよね。このクルマをふつうのショップがデモカーとして販売しても売れないと思います。ディーラーが販売する安心感は大きいと思います。ディーラー保証がついてくるワケですから。
ですので、全国のディーラーからいろいろなコンプリートカーがもっと出てくると面白くなるんじゃないでしょうか。ベースモデルを作るのはメーカーですが、そこからどういう衣、服を着せるのかはディーラー次第という。
基本的に富士スバルの店舗に入庫できる人が販売対象となるのですが、僕自身も関西の知り合いから「TC380ってどうなの?」ってよく聞かれました。開発にはオヤジは関わっていますけど、僕自身はノータッチですから(笑)。なので、このクルマに乗った人たちがどう思うか、個人的に興味深いですね。
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