カワサキ初の女性トップが日本でオフロード4輪を発売! どこで乗るの? どう遊ぶの? その世界観を調査した

車室やエアコンなしのシンプル装備、ナンバー取得は基本不可

 カワサキのオフロード四輪バギーは、災害救助など用途が限定できる官公庁向けでは大型特殊として登録できる場合があるが、その他ではナンバー登録は不可としており基本はクローズドコース専用となる。

 どの車種も2輪駆動/4輪駆動の切り替え式で低速/高速のデュアルレンジCVTを採用。急坂ではシフトレバーを「L(低速)」に入れるだけで、下りでもエンジンブレーキが強く効くので安心だ。「H(高速)」では車種によるが最高速80~100km/hで走れる。

 エンジンは3種類あり、最上級のテリックスKRX1000は並列2気筒999ccで114PS、テリックス4SはV型2気筒783ccで58PS、ミュールは並列3気筒812ccで48PSのエンジンを採用している。エミッションはアメリカとカリフォルニアの規制をクリアしているという。

 足回りは、テリックスKRX1000のみリアが4リンク式トレーリングアームで、他は全てダブルウィッシュボーンを採用。ホイールトラベルはKRX1000は500mm前後、テリックス4が250mm強、ミュールは220mm前後を確保し荒地でも高い走破性を発揮する。

 いずれも車室はなくシートベルトとロールケージが安全装置となる。ヘッドライトやテールランプを装備するが、ウインカーやバックミラーなど非装備だ。

日本で発売されるオフロード4輪車は2ブランド4モデル。手前からテリックスKRX1000(2人乗り)、テリックス4S(4人乗り)、ミュールプロ-FXTで3人乗りと6人乗りがある
日本で発売されるオフロード4輪車は2ブランド4モデル。手前からテリックスKRX1000(2人乗り)、テリックス4S(4人乗り)、ミュールプロ-FXTで3人乗りと6人乗りがある

2023年にはオフロード4輪専用コースで気軽に楽しめる!?

 オフロード4輪バギーは毎年一定数が並行輸入されており、KMJは日本でも需要があると分析している。ターゲットを一般ユーザー、農場などでのワークユース、スキー場などでのレジャーリゾートユース、官公庁向けの特殊需要の4つに絞って販促活動を行う戦略だ。

 販売台数は2022年度は8店舗からスタートして40台を計画、2024年には20店、200台の販売を目指しており、「将来は5割以上を一般ユーザー向けに販売したい」(営業部門、又川氏)という。これと関連して販売店「房総マリーナ」(千葉県いすみ市)の取り組みが注目されている。

 太平洋岸まで約1kmに位置する房総マリーナは25年来のカワサキジェットスキーの取扱店で、関東唯一のオフロード4輪取扱店に指定された。河野信和社長はジェットスキーやボートと同じように、車両を預かる業態でオフロード4輪が楽しめる環境作りに邁進しているのだ。

 「ジェットスキーが好きな方は乗り物が大好き。冬場や海がしけている時はオフロード4輪を楽しんでもらいたい」と狙い語る。房総マリーナの顧客は8割が都内在住で、手ぶらで来店してもマリンレジャーが楽しめるように施設を充実させてきた。

 オフロード4輪では、いすみ市近辺で山を購入してオフロードコースや車両保管施設を建設する計画で、河野社長は「イベント広場やキャンプ場も用意して家族でも楽しめるようにしたい」と構想中だ。

 これぞカワサキの標榜する「楽しんじゃえ!」を具現化するオフロードコースは、2023年中にオープン予定だ。

房総マリーナの河野信和社長とスタッフの娘さん。早速テリックスKRX1000を自社で購入し展示中だ。河野社長はいすみ市出身でオフロードコースで「地元にも貢献したい」と語る
房総マリーナの河野信和社長とスタッフの娘さん。早速テリックスKRX1000を自社で購入し展示中だ。河野社長はいすみ市出身でオフロードコースで「地元にも貢献したい」と語る
【画像ギャラリー】フラッグシップモデルのテリックスKRX1000解説(12枚)画像ギャラリー

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