トヨタたちから出た平成のコンセプトスポーツカー! 開発復活祈願 7選

■ダイハツX-021 (1991年)

ダイハツと童夢の共同開発によって1991年に登場した本格的スポーツカー、ダイハツ X−021。エンジンは1.6L、直4を搭載。ボディはアルミニウム製のスペースフレームをボディ外板にはFRPを採用するという徹底ぶりで、実に700㎏という超軽量化に成功。現在はレストアされ童夢が保管しているという

レーシングカー・コンストラクターの童夢との共同開発によって生み出され、1991年の東京モーターショーに登場した「ダイハツX-021」は、骨太のスポーツカーコンセプトだった。

フロントエンジン・リアドライブの”FR“オープンスポーツは当時の流行であり(1989年には「ユーノスロードスター」が誕生した)、1.6Lの直4エンジンは当時ジムニーのライバルであったロッキー用エンジンからの流用とはいえ、オリジナル設計のアルミ製スペースフレームは、当時の写真を見ても気合いの入った作り込みを感じさせる。

車重は700kgと軽量に仕立てられ、ライトウェイトスポーツの名にふさわしい仕上がりとなった。クラシックな雰囲気をもつスタイリングの洗練度の高さも印象的だった。

X-021を含めて、多くのコンセプトカーがバブル景気の勢いで開発され、その崩壊とともに消えていった事実は、コンセプトカーのはかなさを物語っている。

■スズキC2 (1997年)

1.6L、V8という小排気量マルチシリンダーエンジンを搭載する、軽自動車のオープン2シーターのカプチーノの精神を受け継ぐ、スズキ渾身のオープンスポーツコンセプトカー

スズキは軽自動車スポーツ「カプチーノ」を生み出したことは“バブルゆえ”の奇跡といえば語弊があるかもしれないが、2代目の候補が生み出されたことはあまり記憶されていないかもしれない。

1997年の東京モーターショーに登場した「C2」は、資料には“カプチーノの基本思想を継承”とあるから、おそらくCは“Cappuccino”の頭文字のはず。

「C2」の呼び名には明言されずとも次世代“カプチーノ”であることを意識したネーミングだったことは疑いようもない。

なにより注目だったのは、エンジンのスペックだ。当時の小排気量マルチシリンダーの開発ブームに乗った試作エンジンは、1.6Lの排気量にしてオールアルミ製のツインターボV8の採用を謳った。

6速MTと5速ATの設定は、革新的エンジンに対して、既存品の流用となっているのが面白い。内外装のデザインはシンプルに仕上げられ、ハードトップをシート背後に巧みに収納するという、一品モノとの前提とはいえ、オープンスポーツとして魅力的なスペックを誇った。

だが、2代目カプチーノはC2の発表から20年を経てもいまだ復活を果たせずにいるのが、スズキの鈴木 修会長の“スポーツカー嫌い”ゆえかどうかは知るよしもないが……。

■スバルB9スクランブラー(2003年)

SSHEV(シーケシャル・シリーズ・ハイブリッド・エレクトリック・ヴィークル)と呼ばれる、新開発のハイブリッドシステムを搭載。デザインについては、当時はともにゼネラルモータースの傘下にあったアルファロメオから移籍したアンドレア・ザパティナスが生み出したウィングスグリルが懐かしい

2003年の東京モーターショーで発表された、スバルの重量級のオープンスポーツ。当時としては、ハイブリッドオープンスポーツという革新的なスペックだけでも、当時は心躍ったことを思い出す。

最大の特徴である「SSHEV」(Sequential Series Hybrid Electric Vehicle)と呼ばれるハイブリッド機構は、発電用(出力:50kW)と駆動用(同100kW)の2基のモーターの間にクラッチを挟み込み、走行時は約80km/hまで基本的にはモーター駆動、状況に応じてエンジン駆動でアシストして、シリーズ・パラレル・ハイブリッドを成立させるという荒業を用い、2L水平対向4気筒エンジンと組み合わせたパワートレーンはまさしくハイスペックといえる。

車高調整式エアサスペンションを備え、最低地上高を150〜200mmの範囲で変更できることで、オンロード/オフロードに対応できるとするなど、スバルらしい演出も忘れていない。

個人的には複雑なハイブリッドを備えずとも、今に至っては生産中止が噂される水平対向6気筒を搭載して量産化されないかと、思わず余計な願望さえ頭をもたげたものだ。

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