この春、新たに普通自動車免許を取得した初心者ドライバー、または土日しかクルマを運転しないサンデードライバーの方、もしくはペーパードライバーだけど、これから運転をしたい方など、運転にあまり慣れていないドライバー必見!
まだまだ寒い時期が続きますが、時おり訪れる暖かな日差しで春の到来を感じるこの季節(花粉症のみなさんには辛抱ではありますが)、クルマで外に出かけたくなりますよね。その気持ちは重々わかります。
と、その前に、ベテランドライバーたちが日頃感じている、やめてほしい、はた迷惑な運転マナーを紹介しましょう。
「人の振り見て我が振り直せ」ということわざがありますが、ぜひこの記事を読んで、もし自分がやっていると気づいたら、直してほしいと思います。
文/野里卓也
写真/ベストカーWEB編集部、Adobe Stock
■はた迷惑な運転マナー1/「曲がる直前にウインカーを出す」
さて、私も普段都内を運転していて、信じられないはた迷惑な運転のドライバーに遭遇することがよくある。
まず、こんな簡単なことができないなら運転免許返上すべきと思う運転マナーがコレ。曲がる直前でウインカーを出す行為だ。
これは普段走り慣れていない場所でカーナビを使って、あるいは車内の人たちに案内をさせて目的地へ向かおうとしているシチュエーションでありがちな行動。
案内を聞いて「あっ、こっちだ」と、急に右左折するわけで、後続車両にしてみれば危ないったらありゃしない。進路を変更するにはちゃんとルールがあり、交差点を右左折する場合は、その交差点の30m手前でウインカーを出さないといけないのだ。
交差点ついでに言っておくと日本でも数少ないロータリー交差点の場合、目的地への出口で流出するときは、手前にあるもうひとつの出口付近を通過したときに合図を行なわなければならない。地元の人以外はほとんどお目にかかれないとは思うが、もし出会った時のために覚えておきたい。
なお、直進方向で走行車線を右、あるいは左に変える場合は進路変更の約3秒前と、これもちゃんとしたルールがあるのだ。
JAFが2016年に交通マナーに関するアンケートをしたが、そのなかで、「日本一ウインカーを出さない県(ウインカーを出さずに車線変更や右左折するクルマが多い」)として認定された岡山県のみなさんもお願いします!
■はた迷惑な運転マナー2/「いつまでたっても合流できないオドオドしたクルマ」
いつまでもたっても本線に合流できないオドオドしたクルマ。こういったシチュエーションを見かけることは多いハズ。
特に自動車専用道路(高速道路)で、いつまでたっても合流ができないばかりか、挙げ句の果てに合流途中でクルマを停めてしまうツワモノもいる! そうした状況は事故の危険性が高くなるばかりか、重大事故を引き起こしてしまう原因となる。
運転している人にとっては必死なだけに気持ちは分かるが、やはり一番やってはいけないのはクルマを停めてしまうこと。一度停止してしまうとそこから加速するのに時間がかかるし、合流速度へ達するまでの距離も長くなる。
なにより後続車両と本線を走る車両にとっては前方に停止車両がいることで、ブレーキを促してしまうからだ。
なので、合流が苦手な場合は、やはり、加速してタイミング良く合流することに慣れてコツをつかむしかないだろう。
もちろん、ベテランドライバーの人たちも本線を走行しているとき合流車線にクルマを見かけた場合は、追い越し車線あるいは違う車線に移動するなり、気遣いをしてもらいたい。
■はた迷惑な運転マナー3/「晴れた夜なのにまぶしくて迷惑なリアフォグ(フロントも)点灯」
フォグランプというのはその名のとおり「霧」(Fog)から由来しており、霧や豪雨など視界が悪いときに使用するランプ。
最近ではLEDを使った省エネタイプも見られるが、それにしても晴れた夜にも関わらず、フォグランプを点灯させて走るのは百害あって一利なし。
フロントフォグランプはクルマのファッション性を高めるためのアイテムとして位置づけられている傾向もあり、その流れはますます強まっているが、悪天候以外では効果があるわけでもなく、対向車や前を走るクルマにとってこの上ない「光害」ではある。
一方で、リアフォグランプは、後続車に存在を知らせるためのもの。悪天候時以外ではその光が不快と感じてしまう。後続車にとっても刺激が強い光を常に目にするので、遭遇した場合追走するのは避けたほうがよいだろう。いずれにしても、フォグランプは正しく使ってほしいものだ。
■はた迷惑な運転マナー4/「追い越し車線を遅い速度で走る」
これも自動車専用道路(高速道路)でよくあるシチュエーション。追い越し車線を使って前方車を追い抜いたあと、そのまま走り続けるパターンや、料金所を出たあとからずっと追い越し車線を走り続ける猛者(!?)もいるようだが、どちらにしても、追い越し車線をそのまま走り続けるのは法令違反でもある。
また、後述するが道路状況によっては追い越してから車速がどんどん落ちて、後続車両に追いつかれることもある。そんな時もすみやかに走行車線に戻るべし。
もし、周りの状況に気が付かない場合は、運転の基本に戻り「常に左側車線を走り、一番右側の車線は追い越しのために空けておく」ことを思い出すといいだろう。
ちなみに首都高速や名古屋高速、それに阪神高速といった都市高速道路では本線が2車線あるのだが、いずれも走行車線であり、右側ばかり走っているからといって、ルール違反ではない。
■はた迷惑な運転マナー5/「登り坂で車速が徐々に落ちていることに気づかない」
前述した、追い越し車線で車速が落ちる場合は、登り坂の道路でも起きる。その場合走行車線を走っていても同じ結果ではあるのだが、やはり、徐々に速度が落ちていることに気が付かずに後続車との車間が詰ってしまう。
それと似たシチュエーションとして、平坦な道路でも車速が一定ではなくムラがあり、そのおかげでやはり後続車との車間が詰まってしまう……。これはアクセルペダルをスイッチのON/OFFのように踏んで戻して、という操作を繰り返しているから。
その解決方法はアクセルを一定に踏み続けること。そうすることで、安定した速度を保ちながら走り続けることができる。燃費にも効果が高いということも付け加えておきたい。実はベテランドライバーでもアクセルをON/OFFのように操作している人も多いのだ。
余談だが、マツダは現行車種すべてオルガンタイプのアクセルペダルを採用しているが、それはアクセルペダルがコントロールしやすくなるのと、運転時の疲労を軽減するためのものだという。
■はた迷惑な運転マナー6/「見通しの悪い交差点で、必要以上にフロントを突き出して確認する行為」
見通しの悪い一時停止の標識がある交差点で停止して、そこから左右確認のために、おそるおそるクルマを前に出すのだけど、運転している人が思っている以上にクルマが前に出すぎたため、付近を通るクルマが思わず停車してしまうという状況……。
ハイエースのようなキャブオーバータイプのクルマだと、フロントの見切りが良いので特に突き出すこともなく確認できるのだが、ボンネットがあるタイプだとそうはいかない。
そんな時は2段階停止が効果的。やり方は一旦、停止車線で停まって、安全確認をして、それから交差点入り口でもう一度停まって周囲の安全を確認。そのあとは徐行しつつ進むといいだろう。
交差点へおそるおそる進まずに、一度停まって交差点の周囲を走るクルマに認識させながら進むことができるので、覚えると効果はかなり高い。
■はた迷惑な運転マナー7/「夜間、ハイビームにしたまま走行」
夜間走行時はハイビームで対向車や先行車、それに歩行者がいた場合はロービームに切り替えなければいけないのだが、夜間走行時はロービームのままだと違反になる。
なので、夜間は基本ハイビームなのだ。しかし、対向車や歩行者がいた場合はハイビームからすみやかにロービームに切替えなければ、それもまた違反になるのだが……。
そうしたなかで、全く気が付いてないのか夜間ハイビームのまま走行しているシチュエーションも見かける。
その場合は対向車がパッシングをしてくれるので、それがハイビームのままだというサインと受け止めた方がいい。
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