■タイヤサイズは純正と同じでなくてはダメ? タイヤサイズを変えるメリット、デメリット
さらにタイヤを履き替える際に、タイヤの銘柄だけでなく、サイズ変更まで一緒に考えると走りをより洗練させることもできる。一般的にはホイールをインチアップすると、タイヤの扁平率は下がり、外径を合わせるためにワイドなタイヤを選ぶことが多い。
185/65R16が純正サイズであれば、215/45R18や235/35R19といったサイズを選ぶことができるのがインチアップだ。ホイールが大きくなればクルマは高級感や高性能感がより強調され、適度なローダウンと組み合せることで一層スタイリッシュになる。
インチアップしても外径は基本同じようにすること。これはスピードメーターや燃費計などの誤差が大きくなってしまうからだが、だからといってワイドなタイヤサイズを選ばなくてはいけない訳ではない。
インチアップによって低扁平のタイヤを選ぶと、タイヤの剛性が上がることから地面との接地面は前後方向が短くなる。
そのため接地面積を補うためにもタイヤ幅を増やすのが一般的なのだが、ノーマルタイヤよりグリップ力のあるタイヤであれば、同じ接地面積を確保しなくても、十分に高いグリップ力を発揮してくれる。
タイヤやクルマの組み合せによっては、接地面積を減らすことで、接地面にかかる路面に押し付ける圧力が高まり、グリップ力はほとんど変わらない。
例えば185/65R16からのインチアップに195/50R18や205/40R19を選べば、ホイールのリム幅増大は最小限に抑えられるので、タイヤとホイール両方の重量増を抑えられる。185/45R19も理論上は可能だが、接地面積が減るのと、タイヤに設定されたロードインデックス(1輪あたりの許容重量の指数)が低い場合があるので注意が必要だ。
ローダウンと組み合せてタイヤをフェンダーいっぱいに張り出たせたいのであれば、タイヤサイズはそのままにインセットが少ないホイールを組み合せることで、ルックスは整えられる。インセットというのは以前はオフセットと呼んでいた、リム幅の中心とハブへの取り付け面とのズレだ。
ノーマルホイールでもインセットは設けられている。ブレーキなどの足回りを抱え込むため、ホイールはハブ面が出っ張っており、ホイールはそれを包み込むようにハブとの取り付け面が奥に引っ込んでいるのだ。
このインセットを減らすと、同じリム幅でも、クルマに取り付けた時にはタイヤが外に張り出してくることになる。つまりタイヤサイズは同じでも、見た目にはワイドなタイヤを履いたのと同じ効果があり、ワイドトレッドで走りも安定する効果が狙えるのだ。
なお一定以上にはみ出したタイヤは車検に通らなくなる(タイヤのみで10mm未満まではOK)し、雨天走行時にはボディを汚すことになるので、基本はフェンダー内にキレイに収めること。
インチアップしてスタイリッシュになったけれど、タイヤホイールが重くなってしまうと足回りがドタバタ(ダンパーが負けている状態)したり、フニャフニャな乗り味になってしまう(タイヤの剛性が上がったため、スプリングが負けてストロークが大きくなった状態)こともある。それよりもワンサイズ細くして軽快な走りと燃費向上を図るのも手だということだ。
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