【最新のエコタイヤを選ぶと燃費で元が取れる!? 】普通のクルマこそエコタイヤを選ぶべき理由

【最新のエコタイヤを選ぶと燃費で元が取れる!? 】普通のクルマこそエコタイヤを選ぶべき理由

ハイブリッドやクリーンディーゼルだけでなく、最近では普通のクルマにも転がり抵抗の少ないエコタイヤ(低燃費タイヤ)が装着されることが多くなってきた。はたしてエコタイヤを装着すると燃費がどれくらいよくなるのか?

またタイヤサイズは、純正と同じじゃないとダメなのか? など、最新のエコタイヤに交換するメリット、デメリットをモータージャーナリストの高根英幸氏が解説する。

文/高根英幸
写真/ベストカー編集部、Adobe Stock


■低燃費タイヤを装着するとどうなるのか?

2019年2月1日に発売されたヨコハマタイヤのブルーアースGT。低転がり抵抗なのにグリップが高いという最新の低燃費タイヤだ

ハイブリッドカーやクリーンディーゼルは、エコカー減税の対象車になるほど燃費がいいが、それはパワートレインの優秀さだけでなく、空気抵抗や転がり抵抗など、あらゆる損失を低く抑え込んで効率を高めているからだ。

当然のことながら、タイヤは低転がり抵抗のエコタイヤ(低燃費タイヤ)が標準装着されているケースがほとんど。

どのタイヤが低燃費タイヤかは、平成22年1月から日本自動車タイヤ協会が、低燃費タイヤのラベリング制度を実施しているので見てほしい。

低燃費ラベリング制度は、タイヤ購入時に低燃費タイヤの性能が、ひと目で分かるようにグレード(等級)分けをラベル表示したもの。

グレーディングシステム(等級制度)により「転がり抵抗性能」の等級がAAA・AA・A、「ウェットグリップ性能」a・b・c・dに該当するものが「低燃費タイヤ」となり「低燃費タイヤ統一マーク」が表示される。

購入時の参考になる、低燃費タイヤのラベリング制度。転がり抵抗性能の等級がA以上で、ウェットグリップ性能の等級がa~dの範囲内にあるタイヤを低燃費タイヤと定義

ちなみに新車に標準装着されているエコタイヤ(OEM)は銘柄が豊富。例えば、現行プリウスに標準装着されているエコタイヤは以下の通り。

■標準車用の195/65R15
ブリヂストン・EP150/ダンロップ・エナセーブEC300+/トーヨータイヤ・ナノエナジーJ59
■ツーリングセレクション用の215/45R17
ブリヂストン・トランザT002/ヨコハマ・ブルーアースE70/トーヨータイヤ・ナノエナジーR41

■NDロードスターはタイヤ交換で燃費が約15%伸びた

低燃費タイヤに交換するとどれくらい燃費が変わるのか、NDロードスターを使ってベストカー本誌が昨年テストを行っている

20km/h定速走行の状態から計測開始点でギアをニュートラルに。そして、クルマが完全停止するまでの距離の長短で転がり抵抗をテストした

エコカーでなくてもマツダのNDロードスターやトヨタ86といったスポーツカーだって、標準タイヤはエコタイヤで燃費性能も追求している。

もちろん、スポーツカーでもタイヤを替えるだけで燃費は大きく変わってくる。昨年ベストカー本誌が実施したNDロードスターのタイヤテストを参考にしてほしい。

燃費を左右するファクターに、タイヤの「転がり抵抗」というものがある。各タイヤメーカーの試乗会に行くと、テストコースで実車を使いタイヤを履き替え、一定速からどこまで転がるかのテストを行う。

その同じ方式で転がり抵抗を実施した。20km/hでギアをニュートラルにし、惰性だけでどこまで転がるのかを計測。

テストしたタイヤは、ヨコハマタイヤの「アドバンスポーツ V105」、「アドバンフレバ V701」、さらにはエコタイヤの代表的存在「ブルーアースA」を用意して、転がり抵抗の違いをテストした。

まずは、スポーツ系タイヤのアドバンスポーツから。測定する速度も20km/hと低いことからすぐに止まってしまうだろうと予想していたのだが、意外や意外100m近くまで惰性で転がった。

あまりによく転がるのでスタッフともども驚く。最近では、スポーツ系タイヤでも、燃費性能を大きく落とすことなく走れる性能を持っていることを確認できた。

次のアドバンフレバは「楽しいハンドリング」をテーマにしたハイパフォーマンス系のスポーツタイヤで、さらに低燃費をも謳っているタイヤ。エコタイヤでは物足りないという人にうってつけのタイヤといえるだろう。

テストの結果は、やはり転がり抵抗が低いようでアドバンスポーツよりも10mほど長く転がった。特に10km/h以下に速度が落ちてからの転がり抵抗に差があるようで、最後の伸びというのがある。

では最後に、このテストパートでは低燃費タイヤの真打ちともいえるブルーアースAをテストする。

ブルーアースAは、いわゆる燃費性能を重視したエコタイヤで、エコタイヤのウィークポイントともいえるウェット性能を重視している。

そのためか縦グルーブがハッキリクッキリなのが印象的で、それによってスポーティなルックスも持ち合わせているのが頼もしい。

さっそく走らせてみると、やはりその実力は遺憾なく発揮された。初速の20km/hから10km/hレベルまで速度が低下するフィーリングは、アドバンフレバとそれほど大きな差はない。

しかし、10km/h以下、さらには5km/h以下と徐々に速度が低下するに従って、明らかに抵抗感なく転がる印象。最後の最後のひと伸びという感じで確かにによく転がる。

エコタイヤは極低速域での転がり抵抗が少なく、そして低いということがこのテストでわかった。

【図】3種類のタイヤによる転がり抵抗テスト結果

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