■輸入車は意外にも正規採用が少ない
輸入車に目を向けると、まず先駆けとなったVWやアウディで流れるウインカーは前述のように「ダイナミックターンインジケーター」と呼ばれ、アウディではリアランプは標準もしくはオプションとして用意。フロントは前述のように「マトリクスLEDヘッドライト」とともに装備する。
ただし、A4やA3/Q3、A1ではフロントLEDランプを「LEDパッケージ」としてオプションで選べばリアが流れるウインカーになるが、セットオプションとして「マトリクスLEDヘッドライト」を選択した場合のみフロントも流れるウインカーとなる。
VWでは2017年にラインアップに加わったゴルフRやビッグマイナーチェンジ版のゴルフTSIハイライン(テックエディション)にはリアに設定され、上級車種のアルテオンではリアにグレードによって設定されるなど、全体として車種/グレードによって違いがある。
ほかの輸入車ブランドでは、さほど積極的ではないことがわかる。たとえば、メルセデスではメルセデスAMG GTのみに2015年からリアランプに採用された。
AMG GT 4ドアクーペにも同様に装備され、LEDターンランプとして特別な呼称を用意することなくカタログに掲載されている。
BMW/ミニにはシーケンシャルウインカーを採用していない。ただし現実には、メルセデスとともにアフターマーケットではヘッドランプに装備されたLEDを利用したキットパーツとして販売されていたりするのでやっかいだ。
ラテン系での採用例としては、フランス車ではプジョーの308(前)に設定、デザイン性を重視するシトロエンのDSブランドでは、DS3(前)/DS7クロスバック(前後)に採用しているように、多分にデザインに影響される部分も大きいようだ。
なお、同じフランス車のルノー、欧州系のボルボやFCAは流れるウインカーを設定しておらず、米国メーカーのGMではキャデラックはLEDウインカーのデザインを縦方向に仕立てているから無理があり、シボレーカマロにも設定がないようだ。
どうやらイタリア勢のスポーツカーは消極的なようで、フェラーリの場合、従来はデザイン上の問題もあるはず。
ちなみに、フェラーリやランボルギーニのモデルでは、メーカーが設定されていないにもかかわらず、よく見かける気がするのは、前述のようにデイライトにウインカー機能をアフターパーツを使って装着している例が見られるからだろう。
たとえば、ランボルギーニは最新モデルのSUVであるウルスでは、リアランプ周りに装着されたLEDランプは横方向の長さは充分あっても未採用としている。
マセラティのSUV、レヴァンテもないようだが、これはモデルチェンジのタイミングやデザイン上の問題もあるのだろう。
いっぽう、英国系のブランドではジャガー・ランドローバーは流れるウインカーの採用に積極的。
最新モデルを見るとジャガーXE(2020年モデル)やレンジローバースポーツ/ヴェラールや今夏日本発売の新型イヴォークには前後とも“シーケンシャルウインカー”が装着されている。
英国のスーパースポーツであるマクラーレン720Sに採用され、ベントレーなどの円形ランプでは採用例は見られない。
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