■ペダル踏み間違い防止機能ブレーキは100%標準装備にするべき!
JNCAPの装備の評価基準として2018年度からとり入れられた「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」も標準装備にするべき重要な装備だ。「加減速防止機能」とも呼ばれるのは走行中の踏み間違え防止の機能をもつためだ。
この機能は、停止時や低速走行時に、車載のレーダー、カメラ、超音波ソナーが前方や後方の壁や車両を検知している状態で、運転者のシフトレバーやアクセルペダルの誤操作等によって周辺障害物と衝突する可能性がある場合に、衝突防止または被害軽減のためにエンジン出力を抑えることなどによって、急な発進/加速を抑制する。
トヨタとダイハツが踏み間違え防止装置を後付け可能としている点は評価したい。車両の前後に超音波センサーを2個ずつ設置。近くに障害物があるときにアクセルペダルを踏み込むと、車内に設置した表示機が警告を表示し、ブザーが鳴る。
さらに強く踏むと急発進や急加速を防ぐ機能を備える。なお、新車に搭載する安全システムが備える自動ブレーキは搭載しない。
トヨタはプリウス(3代目)とアクアを対象車種として販売を開始。ダイハツも同日に後付け可能な安全装置を発売した。
ダイハツ車の販売店で約3時間で取り付け可能とされ、累計販売台数の多い2007年に発売された2代目「タント」を対象して、対象車種は今後広げていくとしている。価格はプリウスが5万5080円、タントが5万9508円。
■標識認知機能機能もぜひ標準装備を!
そのほか、注目したい機能として触れておきたい機能のひとつとして「標識認知機能」を挙げたい。機能的にはカメラの画像認識を利用したもので、カメラで道路標識を読み取り、ディスプレイに表示する。道路標識の見落としなどによる速度超過から起こる事故などを防止可能だ。高速道路IC出口などの進入禁止などでも想像以上に有効なように思える。
レクサスの「ロードサインアシスト」、ホンダの「ホンダ・センシング」、輸入車でもメルセデスの「トラフィック・サイン・アシスト」やボルボの「ロード・サイン・インフォメーション」などの装備例がある。
いずれの安全装備もいかに廉価に手に入れられるか、標準装備で設定されるかがカギとなる。当面は売れ筋モデルだけでもかまわないので、高齢者に優しい機能の普及のために、ぜひとも企業努力をお願いしたい。
■音声認識インフォテイメントシステムも普及してほしい!
音声認識としては、メルセデスの「MBUX」がAクラスに新たに導入した(一部グレードではオプション設定)。「ハイ、メルセデス」の音声をきっかけとして、システムを稼働させることができる。
BMWは新型3シリーズで音声認識システム「インテリジェント・パーソナル・アシスタント」を初採用(「OK、BMW」を音声トリガーとする)するなど、音声認識システムの採用が広がる可能性が高い。
こうした音声認識能力の高度化によってボタン操作の機会が少なくなくなれば、運転中の安全性向上に寄与することは間違いない。
■有効だが普及進まぬ「ナイトビジョン」
そのほかの高齢者の運転をサポートする安全装備をとり上げてみよう。遡れば2004年に世界初のホンダが採用したことで話題となった「ナイトビジョン」(暗視装置)は、照明の設置が限られている地域での夜間の走行では有効だが、コストの高さゆえか、オプション装備としても依然として普及が進んでいないのが現状だ。
日本車では、トヨタとレクサスでは「ナイトビュー」、ホンダはレジェンドで「インテリジェント・ナイトビジョン」として採用するなど、主に高級車で展開されている。
輸入車では、メルセデスSクラスでは「ナイトビュー・アシスト・プラス」、BMWでは「ナイト・ビジョン」としてミドルクラス以上を基本に採用され、ポルシェではパナメーラに設定されている。
BMWの「ナイトビジョン」を例に機能を説明すると、夜間運転中に人や大型動物が路上にいた場合に警告を発し、赤外線カメラにより対象物の姿をディスプレイに映し出す。
衝突するおそれがある場合にはヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)に警告が表示されると同時に警告音が鳴り、システムが自動でブレーキ圧を高め、ドライバーのブレーキ操作時に可能な限り最短距離で停止できるよう備える。
コメント
コメントの使い方