湿度が高い状態が続くと心配…金属部分のサビや樹脂パーツの劣化
湿度が高い環境下にクルマを置くことで、もうひとつ心配なのがサビによるクルマへのダメージだ。
ボディはもちろんサスペンションなどの足回りやブレーキ、マフラーなどの排気系など、クルマを構成するパーツの多くは鉄でできているだけに、サビとは切っても切れない関係がある。
サビは空気中の水分と酸素が金属の表面に付着し、酸化することで発生するため、雨の日が多い梅雨の時期など湿度の高い状態が続けば当然サビが発生する確率は高くなり、進行のスピードも速くなる。
特に屋根がない屋外に駐車してある場合は顕著で、雨が降っているときはもちろん、舗装されていない水はけの悪い駐車場では、地面に残った水分がその後蒸発することで、車体の下側から湿気が入り込むことも。
こうなるとサスペンションやマフラーといった下回りだけではなく、最悪の場合、エンジンなどの車体内部にまでサビが発生してしまうことにもなりかねない。
またバンパーやモール類などといった樹脂製パーツも、湿度が高い環境下では劣化するスピードが速くなるといわれている。
直射日光が当たる屋外の駐車場では紫外線の影響による表面の白化や、ひどいものになると加水分解によって樹脂の表面がベタベタもしくはボロボロになったりと、劣化がさらに進む可能性も考えられる。
経年劣化によるサビや傷みはある程度は仕方がないものだが、サビの発生や進行、樹脂パーツなどの劣化を防ぐにはやはり、湿度の高い場所に長い期間クルマを放置しないことが肝心。
内部に残った水分を逃がすためにも、晴れた日にはできるだけクルマを動かすようにすることも心がけたい。自分でできるボディや樹脂パーツ用のコーティング剤などを定期的に塗布するのも効果的だろう。
空気が乾いた状態がやっぱりクルマにはベスト!? いっぽうでドライバーには?
高い湿気がクルマの大敵であることは理解できたが、冬場など乾燥する季節の場合はどうだろうか?
クルマにとっては好条件なことが多い湿度が低い状態であるいっぽう、極端に湿度が低い環境はドライバーや同乗者に悪い影響を与えることがありえる。
人が快適と感じる湿度は50%前後といわれているが、暖房を使用する冬の車内では30%以下にまで湿度が下がることもあり、乾燥によってお肌がカサカサになるなど、皮膚へのダメージやトラブルが多くなる。
「それぐらいなら……」と軽く考えてしまうかもしれないが、運転中の肌のかゆみなどは集中力を乱す原因にもなりかねないため、あながちバカにできないものだ。
また、乾燥によるドライアイなどにも注意が必要だ。特にコンタクトレンズを使用している人にとっては、視界を左右する大きな問題にもなりかねない。
さらにここ最近流行の兆しが見えるインフルエンザなど、湿度が40%を下回ると感染へのリスクが高まるといわれるウイルスにも注意が必要だ。マスクや手洗いといった基本的な感染対策はもちろんだが、密閉された車内では湿度のコントロールや換気も重要となってくる。
車内の湿度を上げるには、やはりエアコンを上手に使うのがポイントで、極端に乾燥し、外気のほうが湿度が高い場合は外気循環に、反対に複数の同乗者がいるときに暖房を使用する場合は内部循環にするといったシチュエーションに合わせた使い分けが肝心。
最近では車内でも使えるコンパクトなサイズの加湿器などもあるためそれらを活用したり、車内に濡れタオルを置くといった対処法もあるようだが、湿度を上げすぎると結露によるガラスの曇りやカビの原因にもなりかねないので、ほどほどになるようこまめな調整が必要となる。
とはいえ、クルマにとってはやはり「湿度が低い状態がベスト」であることは間違いない。雨が多くなるこれからの梅雨の季節はいつも以上に湿度対策を徹底し、愛車をいたわってあげたいものだ。
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