ムシムシする雨の日の運転は、視界が悪く路面も滑りやすいため、ドライバーにとっては憂鬱なもの。さらにこの「湿度」は、クルマにも少なからず悪い影響を与えることがある。
梅雨に突入した時期だからこそ、「湿度」の高い・低いがクルマやドライバーに与えるダメージとその対策、乾燥とどちらがクルマにダメージを与えるのかについて考えていこう。
文/井澤利昭、写真/写真AC
久しぶりに愛車に乗ろうとしたら車内が臭う…。高い湿度はカビ発生のリスクが!
風呂場や洗面所、靴箱など、高温多湿な場所で発生しがちなのがカビ。嫌なニオイのもとになるのはもちろん、そのまま放置していると健康にも影響してくる可能性さえある、やっかいなものだ。
カビは湿度が60%を超えると繁殖しやすくなるといわれているが、それは家庭内に限った話ではなく、条件さえ揃えばクルマのなかでも同様の危険性がある。
クルマのなかでもっともカビが発生しやすいのがカーエアコンだ。
ダクトやフィルターなどはカビのエサにもなるホコリやゴミがたまりやすく、稼働時の熱や空気を冷やした際に発生する水分がたまる熱交換器周辺は、特にカビの温床になりやすいといわれている。
また、シートやフロアマットなど、ドライバーが直接触れる箇所もカビの温床になりやすいポイント。
シートのクッション部分に吸収された汗やこぼした清涼飲料、塗れた靴底を拭いたフロアマットなどを乾燥させずにそのまま放置していると、残った水分=湿気がカビを増殖させる原因となってしまうわけだ。
さらに気をつけたいのがトランクなどのラゲッジスペース。
濡れたままの洗車用品や、マリンスポーツなど水辺で遊んだアイテムを放り込んだままにしてしまうと湿気がこもり、トランク内部のカーペットの裏などにカビが発生してしまうこともある。
エアコンを賢く使ってカビの発生を防ぐ
そんな車内の湿度を下げるのに有効なのがエアコンの活用だ。蒸し暑いときは内部循環にして車内の空気を冷やすことで、車内を効率的に除湿することができる。
いっぽう視界を妨げるフロントガラスの曇りが発生しやすい冬場であれば、外気循環とともにデフロスターを効果的に併用したい。
もちろん、車内に湿気を籠らせないためのこまめな換気や、濡れたものをできるだけ車内に持ち込まないのも有効な手段。
雨水などで汚れたフロアマットはいったん外して洗うのが効果的だが、乾燥が十分でないと再度カビを発生させる原因にもなりかねないので気をつけたい。最近では車内に置ける除湿剤やクルマ用の防カビスプレーなどもあるため、これらの製品を使うのも手だ。
また、カビ臭さの原因としてエアコンが疑われる場合は、フィルターの交換やひどい場合は専門業者へのクリーニングの依頼も検討したい。
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