硬派貫くランクルがいま絶好調のワケ 時代に逆行!? 高いのに!??

何が明暗わけた? かつてのライバル「パジェロ」との違い

1990年代にRVブームを築いた三菱のパジェロ。ランクルと双璧をなす存在だが、現在は月50台程度の販売に留まり、その差は大きく開いている

 かつてはランクルと販売台数を競い、ライバル関係にあった三菱のパジェロは絶不調で、毎月の販売台数は50台程度にとどまっている。

 パジェロはランドクルーザー200系より基本設計が古く、デザインにも安全装備にも古さが目立った。肝となる4WDのメカニズムも進化している部分が少ない。また、相次ぐ三菱の不祥事にも足を引っ張られ、ブランドネームは地に落ちたのである。

 これに対しランドクルーザー200系とプラドは、定期的に改良を行い、商品性に磨きをかけてきた。だからユーザーの信頼を勝ち取り、ジワジワと販売を伸ばしてきたのだ。

 200系はクロールコントロールやターンアシストなど、最新の制御技術を導入し、オフロードの走破性能をさらに高みへと導いた。

 また、プラドもマルチテレインセレクトやヒルスタートアシストなどを採用し、SUVビギナーでも不安なく悪路を楽しめるようにしている。最新の電子制御技術を駆使してSUVの走りの楽しさを多くの人が引き出せるようにした。これも販売増につながっているようだ。

ランクルがいま支持されている理由

写真はランクルプラドの試乗会での一コマ。この圧倒的な走破性こそ、ランクルが“本物”である所以。加えて、予防安全装備など最新の装備も充実させ、地道に進化を続けている

 クロスオーバーSUVが増え続けているが、乗り慣れるともう少しマニアックな車に乗りたくなる。アウトドア派は硬派なSUVに強い憧れを持つが、そういった人はランドクルーザープラドに白羽の矢を立てるのだろう。

 キャビンは広く、前席は見下ろし感覚のドライビングポジションだ。視界がいいし、車両感覚もつかみやすい。また、どの席に座っても頭上には余裕がある。居心地がいいのが本格派SUVの魅力だ。

 さらに余裕のある人や頂点のSUVにこだわる人は「キング・オブ・SUV」の称号を持つランクル200に目を向ける。ボディサイズが大きく都市部では取り回しに気を遣う。

 が、この弱点さえも所有欲を満たし、優越感となるのだ。キャビンの質感もフラッグシップSUVにふさわしいレベルにある。キャビンも広く快適だ。荷物も積みやすい。そしてロングドライブも余裕でこなす。

 また、輸入車でしか味わえなかった上質なV型8気筒エンジン、大排気量ならではの余裕の動力性能に魅力を感じる人も200系に食指を動かす。

 重量ボディを苦もなく加速させ、クルージング時の静粛性の高さも車格にふさわしい。最新のランクル200系とプラドはオンロード性能も大きく向上した。ワインディングロードでもコツをつかめばコントロールしやすい。乗り心地にも優雅さが感じられる。

 もちろん、キャンプ場へ続くオフロードや雪道では敵なしの走破性能だ。ちょっと前までは熟練したテクニックが求められたが、技術の進歩によってSUVビギナーでも不安なく雪道などの滑りやすい路面を走りきれる。

 しかも、価格は基本メカニズムを同じくするレクサス LXの半額だから魅力は大きい。プラドも環境性能の高いクリーンディーゼルを得て魅力を増した。3列シートの7人乗りならミニバン的な使い方もできるからファン層が広がっているのである。

 非日常の楽しさを誰にでもイージーに引き出せる最新のランドクルーザー200とプラドは、今後も安定して売れ続けていくはずだ。

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