「プリウスは事故率が高い危険なクルマ」は本当か?【任意保険で検証】


スポーツカーの保険は高いのか?

 プリウスに続いては、スポーツカー&高性能車について見ていく。スポーツカーの保険は高い、というのはクルマ界で半ば常識的に語られていることだが、実際はどうなのだろうか。

 スポーツカーといえ、前述のとおり型式ごとに料率クラスが決められていて、1年ごとに事故、保険料の支払い実績をもとに上下するのは同じ。

 一般的にスポーツカー、高性能車というのはパワーもあってスピードも出るから事故が起きやすい、というイメージで語られることが多い。実際に1990年代に若者がスポーツカーに乗るものの保険が高くて任意保険に入らずに乗っていたというケースもあった。

かつては事故率も高く、若者が好んで乗ったため保険料が高かったRX-7(FD3S)も高値安定しているかと思いきや意外にも料率クラスは下降傾向にある

 実は保険料を高くしている要因は、加入するサイドにあり、その最大の要因が等級(1~20)で等級により割引率(4~20等級)、割増率(1~3等級)が変動する。

(表3)黄色い部分のクルマが現行モデル、青い部分のクルマがすでに絶版になっていて中古車でしか手に入れることができないクルマ。料率は車両保険を除きそれほど高くはない

 表3は現行モデルの国産スポーツカー&高性能車の保険料率をまとめたものだが、車両保険は確かに高いが、そのほかの3要素についていばそれほど驚くような料率の高さではないのがわかるはず。

 面白いのは実質同じクルマでありながら86とBRZでは搭乗者傷害保険、車両保険でBRZのほうが上のクラスとなっていることで、これも事故、保険料の支払い実績が加味された結果だ。

86はBRZよりも若干保険料率クラスが低いものがあるため保険料も安くなる。ただし、流通量が多い86の中古車が多く出回るようになると料率クラスが逆転する可能性もある

 では、実際の保険料はどうなるのか、前出のハイブリッドセダンと同じ条件でシミュレートしてみた。

■トヨタ86(ZN6)318万3840円(リミテッド6MT)
17万6810円/6万4510円
■日産GT-R(R35)1063万1520円(ピュアエディション)
28万7410円/4万4110円
■マツダロードスター(ND5RC)275万9400円(Sスペシャルパッケージ6MT)
15万4260円/6万3490円
■ホンダNSX(NC1)2370万円
52万9700円/7万9380円

 車両価格が高額なGT-R、NSXは車両保険を含めると高額になるのは当然だが、対人、対物、搭乗者の保険のみだと意外なほど安い。特にGT-Rは86やロードスターよりも安いのだ。

 一般に保険料率が上がる、すなわち保険料が高くなる要因として中古車の存在がある。高性能車が手ごろな価格で購入できるようになって若者が購入することで事故が増える→保険料が高くなる、という悪循環をしていたのが1990年代くらいだった。

 しかし、すでに絶版になっているスポーツ&高性能車も車両保険以外は法外に料率が高くなっているわけではない。若者のクルマ離れは保険にも影響を及ぼしているのか!?

 車両保険についていえば、車対車に限定して支払われるなどの制約を付けることによって保険料を安くできるエコノミー保険などもある。自分で壊した時は腹をくくる、という考えで車両保険抜きの任意保険に入るなどすれば、スポーツ&高性能車といえども保険の負担はかなり小さくなる。

GT-Rの保険はとんでもなく高い、という先入観があるが、車両価格が高いため車両保険の料率クラスが高いのは当然ながら、そのほかの任意保険はビックリするほど安い