新型タントは軽王者N-BOXを超えられるか?

新型タントは軽王者N-BOXを超えられるか?

 2018年度(2018年4月〜2019年3月)の新車販売台数は、ホンダN-BOXが23万9706台となり、軽四輪車新車販売台数において4年連続、さらに登録車を含む新車販売台数ランキングにおいて2年連続で第1位を獲得した。

 さらに2019年上半期(1~6月)では、登録車、軽自動車を含め、日本国内で最も多く売られたクルマはホンダN-BOXだった。その数、なんと13万1233台! 8万9750台の2位スペーシアに4万1483台という大差をつけている。

 ちなみに3位はモデル末期のタントで8万1828台、4位はデイズ、7万9789台、5位プリウスが7万277台、ムーヴが6万8833台の6位と続いている。なんと、上位3車はすべて全高が1700mmを超えるスライドドアを装着した軽自動車だ。

 まさにN-BOX絶対王者君臨状況のなか、2019年7月9日に新型タントがデビューした。

 そこで、今回は新型タントの実力は、絶対王者N-BOXを超えられるのか? 項目別に分け、新型タントとN-BOXを徹底比較!

文/渡辺陽一郎
写真/ベストカー編集部 ダイハツ


比較1:外観のデザインと視界&取り回し性

2019年7月9日に発表された新型タント。左が標準、右がカスタム<br>
2019年7月9日に発表された新型タント。左が標準、右がカスタム
軽王者に君臨するN-BOX。右が標準、左がカスタム

 差が付くのは取り回し性だ。売れ筋の14インチタイヤ装着車で比べると、最小回転半径はタントが4.4m、N-BOXは4.5mで若干大回りになる。

 外観のデザインは、見る人によって印象が異なるが、視界は両車ともに同程度だ。水平基調のボディだから周囲が見やすい。

 ボディサイズはタントが全長3395×全幅1475×全高1755mm、N-BOXが全長3395×全幅1475×全高1790mm(4WDは1815mm)。

 ホイールベース(前輪と後輪の間隔)はタントが2460mmと短く、N-BOXは2520mmと少し長いから不利になった。

勝敗:タントの勝ち

■比較2:内装の質感と居住性

新型タントXのインパネ。極細Aピラーやメーターの高さを抑えることで視界が向上したコクピット。大きな表示のデジタルメーターやTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイを採用
N-BOXのコクピット。メーターパネルはステアリングに遮られない「アウトホイールメーター」で、インパネ最上部に配置

 インパネの基本的な形状は両車とも似ている。質感は互角と考えて良い。

 シートの座り心地も両車ともに快適だが、座面の柔軟性は、N-BOXが少し優れている。特に後席で差が付く。

 後席の足元空間は、N-BOXが若干広い。身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は、タントが握りコブシ4つ弱、N-BOXは4つ少々だ。

 ただしタントの後席も十分に広く(Lサイズセダンでも後席の膝先空間は握りコブシ2つ半程度)、4名で乗車して長距離を快適に移動できる。結論はN-BOXの座り心地が少し勝る。

新型タントXの室内。室内長2240×室内幅1350×室内高1370mm。 リアシートは左右分割ロングスライド(240mm) <br>
新型タントXの室内。室内長2240×室内幅1350×室内高1370mm。 リアシートは左右分割ロングスライド(240mm)
N-BOXのベンチシート仕様。室内長2180×室内幅1350×室内高1400mm。リアシートは左右分割で190mmスライド可能
N-BOXのベンチシート仕様。室内長2180×室内幅1350×室内高1400mm。リアシートは左右分割で190mmスライド可能

勝敗:N-BOXの勝ち

次ページは : ■比較3:乗降性

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