新型タントは軽王者N-BOXを超えられるか?

比較6:走行安定性

新型タントは引き続きセンターピラーレスのミラクルオープンドアを採用するが、ピラー内臓スライドドアでボディ剛性が強化されているので、走行安定性においてヤワに感じることはない
新型タントは引き続きセンターピラーレスのミラクルオープンドアを採用するが、ピラー内臓スライドドアでボディ剛性が強化されているので、走行安定性においてヤワに感じることはない

 両車とも現行型になってプラットフォームを刷新した。特にタントは、先代型に比べて走行安定性と操舵感が大幅に向上。センターピラーレスドアによるボディ剛性不足を走っていて感じることはない。

 先代型は操舵した時の反応が鈍めで車両の向きを変えにくく、カーブを曲がっている時は旋回軌跡を拡大させやすかった。後輪の動きを安定させるために、曲がる性格を弱めていたが、新型はバランスが向上している。

 カーブを曲がる時には、N-BOXに比べて、外側に位置する前輪が踏ん張っている印象が強い。後輪の接地性も十分に高い。N-BOXの走行安定性も満足できるが、タントが少し優れている。

勝敗:タントの勝ち

比較7:安全装備と運転支援機能

新型タントには進化した予防安全機能「次世代スマートアシスト」を採用。予防安全機能「スマートアシスト」に運転支援機能「スマートアシストプラス」に加え、全15個の機能を誇る。従来のスマートアシストから採用してきた世界最小のステレオカメラを搭載しながらダイハツ独自の制御を進化させ、機能を強化している
新型タントには進化した予防安全機能「次世代スマートアシスト」を採用。予防安全機能「スマートアシスト」に運転支援機能「スマートアシストプラス」に加え、全15個の機能を誇る。従来のスマートアシストから採用してきた世界最小のステレオカメラを搭載しながらダイハツ独自の制御を進化させ、機能を強化している

 歩行者を検知できる緊急自動ブレーキは、両車ともに用意される。対象を検知するセンサーは、タントが2個のカメラ、N-BOXは単眼カメラとミリ波レーダーだ。車両に対する作動速度の上限は、タントが時速80km、N-BOXは時速100kmになる。

 N-BOXは路側帯を歩く歩行者に接近しそうになった時、パワーステアリングを自動制御して、ハンドル操作による衝突回避を支援する機能も備わる。

 誤発進抑制機能は、両車ともに前方と後方の両方に向けて作動する。タントは危険を検知した時に、エンジン出力と併せてブレーキも作動させるから、徐行時の安全確保にもつながる。N-BOXはエンジン出力を絞るだけだ。

 運転支援機能は、両車とも車間距離を自動制御できるクルーズコントロールと、車線の中央を走れるようにパワーステアリングを制御する機能が備わる。

 この内、クルーズコントロールは、N-BOXでは時速25km未満になった時点でキャンセルされるが、タントは全車速追従型だ。

 ただしタントもパーキングブレーキが足踏み式だから、電動式のデイズのように自動的に作動させて、長時間停車することはできない。先行車に追従して停車した後、2秒を経過すると自動的に発進してしまう。

 安全装備と運転支援機能の組み合わせも異なる。N-BOXのホンダセンシングは、緊急自動ブレーキとクルーズコントロールなどの運転支援機能をセットにして標準装着するが、タントでは運転支援機能がスマートクルーズパック(5万4000円~5万9000円)のオプションになる。

 しかもスマートクルーズパックを選べるのは標準ボディのXターボと、同じくターボエンジンを搭載したカスタムRSのみだ。運転支援機能がオプションなのは良いとしても、設定されているのがターボだけでは選びにくい。

勝敗:N-BOXの勝ち

比較8:価格の割安感は?

■新型タントの価格(2WD車の価格)
L(スマートアシスト非装着車)/122万400円
L/130万6800円
X/146万3400円
Xターボ/156万600円
カスタムL/154万9800円
カスタムX/166万8600円
カスタムRS/174万9600円

■N-BOXの価格(2WDの価格)
G・ホンダセンシング・ベンチシート仕様/138万5640円
G・Lホンダセンシング・ベンチシート仕様/149万9040円
G・ホンダセンシング・スロープシート仕様/157万5640円
G・EXホンダセンシング・スーパースライドシート仕様/159万6240円
G・Lホンダセンシング・スロープ仕様/168万9040円
G・Lターボ・ベンチシート仕様/169万5600円 ほか
※N-BOXカスタムの価格は169万8840~194万9400円

 機能と価格のバランスから、最も買い得と判断できるのは標準ボディのタントX(146万3400円/2WD)と、N-BOX G・Lホンダセンシング(149万9040円/2WD)になる。

 激しい価格競争を展開した結果、スペーシアハイブリッドXとデイズルークスXも含めて、全高が1700mm以上の軽自動車は、買い得グレードを140万~150万円に設定する。

 上記の2グレードを比べると、タントは運転支援機能がターボ車のみのオプションになり、Xでは装着できない。運転席の上下調節機能とチルトステアリングもオプションだ。

 対するN-BOXでは、タントでは標準装着されるサイド&カーテンエアバッグがオプションになっている。価格は拮抗しており、割安感は互角だ。

勝敗:引き分け

次ページは : 総合評価/新型タントが勝つか?

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