比較6:走行安定性
両車とも現行型になってプラットフォームを刷新した。特にタントは、先代型に比べて走行安定性と操舵感が大幅に向上。センターピラーレスドアによるボディ剛性不足を走っていて感じることはない。
先代型は操舵した時の反応が鈍めで車両の向きを変えにくく、カーブを曲がっている時は旋回軌跡を拡大させやすかった。後輪の動きを安定させるために、曲がる性格を弱めていたが、新型はバランスが向上している。
カーブを曲がる時には、N-BOXに比べて、外側に位置する前輪が踏ん張っている印象が強い。後輪の接地性も十分に高い。N-BOXの走行安定性も満足できるが、タントが少し優れている。
勝敗:タントの勝ち
比較7:安全装備と運転支援機能
歩行者を検知できる緊急自動ブレーキは、両車ともに用意される。対象を検知するセンサーは、タントが2個のカメラ、N-BOXは単眼カメラとミリ波レーダーだ。車両に対する作動速度の上限は、タントが時速80km、N-BOXは時速100kmになる。
N-BOXは路側帯を歩く歩行者に接近しそうになった時、パワーステアリングを自動制御して、ハンドル操作による衝突回避を支援する機能も備わる。
誤発進抑制機能は、両車ともに前方と後方の両方に向けて作動する。タントは危険を検知した時に、エンジン出力と併せてブレーキも作動させるから、徐行時の安全確保にもつながる。N-BOXはエンジン出力を絞るだけだ。
運転支援機能は、両車とも車間距離を自動制御できるクルーズコントロールと、車線の中央を走れるようにパワーステアリングを制御する機能が備わる。
この内、クルーズコントロールは、N-BOXでは時速25km未満になった時点でキャンセルされるが、タントは全車速追従型だ。
ただしタントもパーキングブレーキが足踏み式だから、電動式のデイズのように自動的に作動させて、長時間停車することはできない。先行車に追従して停車した後、2秒を経過すると自動的に発進してしまう。
安全装備と運転支援機能の組み合わせも異なる。N-BOXのホンダセンシングは、緊急自動ブレーキとクルーズコントロールなどの運転支援機能をセットにして標準装着するが、タントでは運転支援機能がスマートクルーズパック(5万4000円~5万9000円)のオプションになる。
しかもスマートクルーズパックを選べるのは標準ボディのXターボと、同じくターボエンジンを搭載したカスタムRSのみだ。運転支援機能がオプションなのは良いとしても、設定されているのがターボだけでは選びにくい。
勝敗:N-BOXの勝ち
比較8:価格の割安感は?
■新型タントの価格(2WD車の価格)
L(スマートアシスト非装着車)/122万400円
L/130万6800円
X/146万3400円
Xターボ/156万600円
カスタムL/154万9800円
カスタムX/166万8600円
カスタムRS/174万9600円
■N-BOXの価格(2WDの価格)
G・ホンダセンシング・ベンチシート仕様/138万5640円
G・Lホンダセンシング・ベンチシート仕様/149万9040円
G・ホンダセンシング・スロープシート仕様/157万5640円
G・EXホンダセンシング・スーパースライドシート仕様/159万6240円
G・Lホンダセンシング・スロープ仕様/168万9040円
G・Lターボ・ベンチシート仕様/169万5600円 ほか
※N-BOXカスタムの価格は169万8840~194万9400円
機能と価格のバランスから、最も買い得と判断できるのは標準ボディのタントX(146万3400円/2WD)と、N-BOX G・Lホンダセンシング(149万9040円/2WD)になる。
激しい価格競争を展開した結果、スペーシアハイブリッドXとデイズルークスXも含めて、全高が1700mm以上の軽自動車は、買い得グレードを140万~150万円に設定する。
上記の2グレードを比べると、タントは運転支援機能がターボ車のみのオプションになり、Xでは装着できない。運転席の上下調節機能とチルトステアリングもオプションだ。
対するN-BOXでは、タントでは標準装着されるサイド&カーテンエアバッグがオプションになっている。価格は拮抗しており、割安感は互角だ。
勝敗:引き分け
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