【海外では前向き駐車が基本!!】なぜ日本では後ろ向き駐車が常識なのか??

前向き駐車にするとバンパーが車止めに擦ってしまうことも!

前向き駐車だと気を使うのがスポーツカーのフロントバンパー(アンダースポイラー、チンスポイラー)だ。うっかりバンパーを擦ったり、ぶつけてしまうオーナーも多いのではないだろうか
前向き駐車だと気を使うのがスポーツカーのフロントバンパー(アンダースポイラー、チンスポイラー)だ。うっかりバンパーを擦ったり、ぶつけてしまうオーナーも多いのではないだろうか

 前向きに駐車には気になることがひとつある。それは車止めの高さだ。NSXのような車高の低いスポーツカーやチンスポイラー付きバンパーなど付いたクルマなど、車止めに擦ってしまう場合があるからだ。

 車止めの高さはいろいろあるのだが、大部分は90~150mmといったところで、その半数ほどが120~130mmに集中しているようだ(SA/PAの輪止めは低い傾向に感じる)。最近では写真のように前向き駐車でも難なく停められる

 では、その車止めの高さに対してクルマそのものの高さはどうか? 多くの人が見るのはカタログの最後のほうのページに載っている「最低地上高」だろう。

 最低地上高は一般的な日本車であれば、ほとんどのモデルで130mm以上は確保されている(プリウスはFF/130mm、4WD/135mm、普通のアクア/140mm、ノート e-POWERのFF/130mm、N-BOX/145mm、GT-RやNSXといったスーパーカーだと110mm)。

 つまり、車止めの高さが130mmで、最低地上高130mmのプリウスであれば、車止めとフロントバンパーが当たることも充分あり得るということになる。

後ろ向き駐車がベター

 ここまでの内容を、簡単に整理してみると、

1/狭いスペースで大きくクルマの向きを変えるには後退するほうが効率が良い
2/駐車スペースから後退して出るには、後方にそれなりのスペースと手間(時間)が必要
3/車両後方には大きな死角が存在するため、後退時には周囲の往来に気づきにくい
4/人の身体機能は年齢とともに衰えるため、高齢者は目視のために真後ろを向きにくい
5/クルマによっては前向き駐車だと、車止めに車体を擦ってしまう

 たとえば、スーパーマーケットの駐車場を例にとれば、「前向き駐車」と「後ろ向き駐車」ではどちらが手間がかかるか、といえば、「前向き駐車」のほうだろう。

 後進と前進が必ず伴うことを考えれば、操作と確認作業について少しでもドライバーの負担が少なくてすむ「後退」で車庫入れするほうがベターだ。

 外輪差を生じる前輪が進入する路上にあるうちに車体の向きを変えられることも、狭い場所での車庫入れに適している。

 「前向き駐車、バックで退出する」を行った場合、一番大きいリスクは、バックしている時に、自車の左右後方から接近してくるクルマや人とぶつかる可能性が出てくること。

スバル車にはメーカーオプションとして、後退時に自社の後側方から接近してくる車両を検知して、インジケーターの点滅と警報音で知らせる、スバルリヤヴィークルディテクション(後側方警戒支援システム)が用意されている
スバル車にはメーカーオプションとして、後退時に自社の後側方から接近してくる車両を検知して、インジケーターの点滅と警報音で知らせる、スバルリヤヴィークルディテクション(後側方警戒支援システム)が用意されている

 国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA)が毎年発表する「自動車アセスメント(JNCAP)の安全性能評価に採用している「後方視界情報提供装置」は、リアビューモニターやセンサーによって車両後方の障害物の回避への注意喚起を実施する機能として、装備が推奨されている。

 評価が設定されたのは平成27年度からだが、自動車の死角が生じるなどのために事故の危険性が高まるバックでの発進/駐車時に、ドライバーが直接確認することが困難な後方の視界情報を車内のモニターに映し出す装置(バックビューモニター)として、安全性能評価を新たに設定している。

 クラウンやレクサスLS、スバルなど、後退時のドライバーに注意喚起を促す警告や、衝突の可能性がある場合に衝突被害軽減をするための自動ブレーキなど、後退時の支援機能を装備するクルマは今後、急速に普及が進んでいくはずだ。

 むしろ最近気になるのは、高速道路のサービスエリアなどで「前向き駐車」から、じわじわと進んで様子を見るようなことなく、急に出てくる車両が増えているように思えることだ。

 リアカメラを利用したバックモニターや後退時ブレーキアシストなど、後退時に利用できる安全装備が普及してきたこともあってか、慎重さに欠ける動きを見かけるようになった。

 あくまでミラーで後方に注意を払いつつ、可能であれば振り返りによる左右目視を基本として、周囲の動きに気を配ることに留意してもらいたい。

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