主なワイパーブレードの製品と価格
ここで具体的なアフターマーケット品のワイパーの価格について追ってみよう。代表的なメーカーとして選択したのは、まずは日本のワイパーメーカーのトップといえる日本ワイパーブレード(以下NWB)。
純正採用率トップシェアを誇るワイパー専業メーカーだ。輸入車用では、おなじみドイツの大手部品メーカーのボッシュは現在主流になっている後述するフラットワイパーを生み出すなど、欧州メーカーをはじめとして高いシェアを誇る。
対して、ヴァレオはワイパーシステムで世界トップシェアのメーカー。日本では同社傘下の市光工業のPIAAを通じてアフターパーツの販売も実施している。
価格の幅としては、500円程度の海外製品から、撥水コート製品が2000円程度、なかにはエアロタイプなど見栄えに配慮した3000円を超えるような“高級品”まで、相当な幅がある。
基本はオープン価格だが、参考までに某ショッピングサイトなどを見てみる、総じて3社の製品をシリコンコートの撥水製品の価格を丸めて比較すると、ボッシュ:1600~2200円、PIAA:1400~2700円、NWB:1800~3000円などとなっている。
ボッシュの各製品の価格幅が他の2社に比べ抑えられているように感じられるのは、海外でのアフターマーケットでの価格が、販売数の多さの影響なのか、日本の市場よりも低く設定されていることが考えられる。
ちなみに、前述した撥水タイプのガラスコーティング剤「ガラコ」でおなじみのソフト99コーポレーションが販売する、グラファイトにフッ素コーティングを施した撥水タイプのワイパーの上記同様に調べた参考価格幅は900~2000円とされている。
ワイパーブレードの外し方と交換方法
ワイパーブレードを自分で交換する際は、ウェブサイトなどで自車用製品に関する適合表を確認したうえで、事前に取扱説明書などで交換手順を頭に入れておく必要があるが、ここで交換の手順を簡単に確認しておこう。
まずフロントウインドウのワイパーブレードの取り付け部分の位置に厚く折りたたんだタオルなどを置いておこう。ワイパーアームが不意に倒れた時などに、ガラスを傷つけてしまうことのないように保護しておくためだ。
ワイパーを立てた後、ワイパーアームとワイパーブレードの取り付け部分の裏側に備わるストッパー器具を押しながら、慎重に下方向にスライドさせて取り外していく。
ワイパーブレードを取り外した後には、ワイパーアームを立てたままにせず、用意しておいたタオルの上に置いておく。
新しいワイパーブレードを用意した後にワイパーアームを立ちあげて、外した際の逆の要領で上方向にスライドさせて、クリック感とともに「カチッ」といった音が発するまで差し込む。
取り付け時には、スイッチ状の部分は固定に関わっているので触れないように注意したい。
最新ワイパーはブレードやアームからウォシャー液を噴射!
さて、最新ワイパーはどうなっているのか? 進化しているのか?
まずヴァレオが開発した「アクアブレード」は、2013年モデルのメルセデスベンツ SLクラスに初採用され(現在はSL AMGのみ)、メルセデスのSクラスクーペ/カブリオレやGLS、ボルボ60シリーズ、シトロエンC4カクタスなどに採用されている。
ボッシュが開発した「ジェットワイパー」は広範囲にわたってブレードから噴射する「アクアブレード」とは違い、ワイパーブレードを支持するワイパーアームからウォッシャー液を噴出するのが特徴で、ボルボXC90などに採用されている。
アクアブレードではブレード内部に設けられた通水路を通して、両側に設けられた複数の噴射孔からウォッシャー液を、ワイパーの動きに合わせてフロントウインドウに直接噴出する機能を備える。
ガラスの汚れ具合、温度、風速などの運転状況に応じて自動的に噴射量を制御する。
ウォッシャー液はワイパーブレードの作動方向の前方に直接噴射され、センサーを利用してワイパーの位置を正確に検知してウォッシャー液が適正なタイミングで吹きかけられることで、ブレードによって瞬時にウォシャー液を拭き取ることができる。
従来のノズルから吹きかけるシステムと異なり、アクアブレードではフロントウィンドウ全体に広がったウォッシャー液によってドライバーの視界を妨げることがなく、運転時の安全性を高められ、ウォッシャー液の使用量を半減させることでシステムの重量を軽量化できるという。
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