払拭性能を向上させたコーティングラバー
新車時に装着されているワイパーのラバー部の多くには、天然ゴムと天然ゴムに塩素系有機材を配合した素材が使われている。
天然ゴムは払拭性能には優れるが耐久性では有機材料のクロロプレンを配合したラバー材に劣り、後者は耐久性などバランスのとれた性能が特徴。
ワイパーのラバー部に関しては、熱や紫外線/オゾンによる劣化に強い素材の開発が進められている。
現在アフターマーケット製品では、表面加工により払拭性能や耐久性などの商品性をアップしている。
交換時期はラバー部分が6カ月、ブレードが1年!
耐久性については、最もスタンダードなワイパー(トーナメントタイプ+天然ゴムの組み合わせ)では、最適な形状を維持できる期間が6カ月~1年程度とされている。
交換に関しては、ラバー部分は6ヵ月毎、ブレードは1年毎の12カ月点検時が目安になる。
グラファイト表面加工と撥水ワイパー
ブレードの払拭性能を高めるコーティング手法の代表例としては、“グラファイト表面加工”が挙げられる。
グラファイト(黒鉛と呼ばれる炭素微粒子)ワイパーは、摩擦抵抗が小さい炭素微粒子をラバー部の表面にコーティングを施して、ガラス表面との摩擦抵抗を抑えることで滑らかな動きを実現する。
グラファイト加工のワイパーブレードは、3~6ヵ月の耐久性をもつ、いわゆる「フッ素コーティング剤」の塗布と組み合わせられるので、アフターマーケットでは売れ筋になっているようだ。
いっぽう、“撥水ワイパー”と呼ばれるブレードラバー部にシリコン表面加工が施されたワイパーは、純正品として新車時に設定される天然ゴムワイパーに対して、撥水効果が高められている。
シリコンオイルを付加したラバー部を動かすことでガラス表面に撥水被膜を形成する、いわゆる「シリコンコーティング」を施すことができる。
撥水コーティング剤は水分を強制的に排除するため、ワイパーが「から拭き状態」になる。このときラバー部との摩擦抵抗が大きくなり、「ビビリ」「拭きムラ」を発生させる。
これにより撥水効果が低下して、コーティング被膜のはがれも起きやすくなるという。撥水コーティング剤が塗布されたウィンドウ用ワイパーであれば、これを防ぐことができる。
コーティング剤に対して撥水ワイパーが使い勝手に優れているのは、撥水コーティング剤は期間を経れば当然ながら塗り直しが必要になるが、撥水ワイパーは動かすだけでフロントウインドウのコーティングが完了する簡便さとともに、払拭性能をより長く維持することができる。
撥水コーティング剤を塗布すると、ワイパーのゴムの種類によっては「ビビリ」が発生したり、コーティングが剥がれてしまうことがあるが、撥水ワイパーであればそのような心配はない。
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