■乗り心地の評価方法
令和:さまざまな入力(路面の状態や、凹凸のほかいろいろ)に対して、車体がどう動き、振動するかですね。
ベストカー:体全体で振動とかを感じ取るわけですか?
令和:そんな感じです。シートを通して体で感じたり、足、ハンドルを握っている手などからも感じ取ります。
ベストカー:ボディ剛性やサスペンション、タイヤも乗り心地に影響ありますよね?
令和:そのとおりです。何より大事なのはボディ剛性で、乗り心地のほか、ハンドリングや静粛性などすべてに効いてきます。硬さだけでなく、変形のさせ方もとても大事なんですよ。
サスペンションとタイヤについては、どちらかが硬すぎてもやわらかすぎてもダメで、互いのバランスが大切です。
■ロングドライブの快適性を見る
令和:これまでの3要素(動力性能、ハンドリング、乗り心地)すべての総合力です。意図どおりに加減速し、曲がれること。シートのよさも乗り心地だけでなくハンドリングに影響を与えます。静かなノイズ性能も大切ですね。
サーキットやワインディングでグイグイ曲がる楽しいハンドリングは、ロングドライブでは敏感過ぎて疲労につながることもあるので注意が必要です。
ベストカー:これまた深い!
令和:評価には2種類あり、何度も決められたとおりに走るものと、いろいろな乗り方をして幅広く評価をするもの。
前者は主にデータ計測のためですね。後者を「感性評価」といいます。
ベストカー:令和マンは後者のスペシャリストということで?
令和:そういうことです。
■評価ドライバーがインプレ! カローラスポーツ vs. VWゴルフ!
今回は評価用に2台のCセグメントハッチバックを用意した。日本代表としてカローラスポーツ、ドイツ代表にゴルフだ。まずはゴルフから評価してもらおう。
●ゴルフTSIハイラインテックエディション
令和:いやーイイッすねー、ゴルフ。久しぶりに乗りましたけど、やっぱりサイコー!
ベストカー:いいですね~!
令和:動力性能は必要充分って感じですね。アクセルコントロール性も高い! 踏んだ分だけ加速しますし、ブレーキも踏んだ分だけ効く。
ベストカー:なるほど!
令和:出発してすぐは切り始めのレスポンスが悪かったんですが、適正な空気圧にしたらよくなりました。リニア性もイイです。
ガソリンスタンドやディーラーで空気を入れてもらう際、空気圧を高めにするところが多いんですよ。時間がたって多少抜けてもいいようにと……でも、それだと性能落ちるし寿命も縮まるので、適正値にしてもらってください。
ベストカー:ハンドリングは?
令和:カーブ中にペダル操作(加減速)しても安定して曲がってくれますね!
ベストカー:というと?
令和:スポーティなクルマだと、カーブでペダル操作だけで曲がり具合を調整できると“運転の楽しさ”となり、いいんです。
しかし、普通のクルマで普通の人が運転する場合は、カーブでペダル操作しても曲がり具合が変わらず安定しているほうが、カーブ中の余計な修正舵が必要ないのでよいわけです。
ベストカー:勉強になります!
令和:ハンドルを切ると、フロントが曲がって、ワンテンポおいてリアがついてくる。このさじ加減が絶妙で素晴らしい。
BMWの一部モデルでは、フロントもリアも反応がよすぎる場合があるんです。スポーティでいいんですが、普通の人が普通に運転する場合は、ハンドル操作に対してある程度ゆっくり反応してくれたほうがいいわけです。
ベストカー:乗り心地いいですね~。助手席でもわかります。
令和:このクラスでは最高でしょう! 入力に対して車体が動かない、ゆすられない。小さな段差、コツコツした突き上げも丸く吸収してくれています。
大きな段差、ガツンとくるものもフワっと上手くおさめています。総じて丸くおさめてくれますね。
ベストカー:路面のザラつきも拾っていませんね。
令和:シートのクッションもウレタンが厚いのでしょうね、懐の深い吸収感ですね。ハンドルの微振動もないです。
ベストカー:ロングドライブの快適性で見るとどうです?
令和:素晴らしいです。走行音も静かなんですが、必要なノイズは残してあり、路面インフォメーションはわかりやすい。
総じてこのクラスで文句ない性能ですが、ナビが少し不満(笑)。どこを走ればいいかわかりづらい……。
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