なぜここまで旧車が急激に減少したのか!?
考えられる原因はいくつかあるのだが、まず1つ目が2009年から開始されたエコカー補助金だ。この制度は、13年以上経過したクルマを廃車にして、エコカーを購入すると25万円の補助金がもらえて、さらにハイブリッドカーを購入すれば合計で40万円もの補助金がもらえるというものだった。
この補助金効果によってプリウスが爆発的に売れ、’08年と’09年の登録車数で比べると、なんと13万7214台も増えていた。その他のエコカーも軒並み販売好調だったのだが、これは希少な旧車がそれだけ姿を消したことを意味する。
そして2つ目として、『残存数が少ない10台……』でも書いているのだが、生産終了から20年も経った旧車になってくると部品が廃番になり、補修部品が手に入らず修理ができないので、泣く泣く愛車を手放すオーナーが少なくないという点だ。
この傾向は電子制御が複雑になった’80年代からのクルマに特に言えることで、電装系などで壊れた一部の部品だけを交換したいと思っても、アセンブリーでないとメーカーから補修部品が出ないものが多い。
その他の部品も含めて廃番になっていた場合、中古部品を探すことになるのだが、古くなればなるほど部品取りできるクルマも減って手に入らなくなってしまうのだ。自前で作れる部品なら、ワンオフで作ってくれるショップもあるが、それには相応のコストがかかってしまうので、二の足を踏むオーナーも多い。
特別そのクルマに価値を見出している、または相当な愛着があるオーナーでなければ、手に入らなくなった部品を高いお金を出して作ってまで直そうということは難しい。そうなると、新しい年式のクルマに買い替えという選択になり、どんどん旧車が姿を消していくというわけだ。
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