アルファード/ヴェルファイア 激変した時/2018年1月
ここで取り上げたクルマは、もとがよろしくなかったところが改善されたという車種が多いが、アルファード/ヴェルファイアは少々違って、もともとそれほど悪くなかったのに、さらにここまでできることに驚かされたという例といえる。
2015年1月に登場した現行初期型は従来よりも、より高級感の増した内外装や大きな不満のない乗り味はなかなかよかったのだが、それが2018年1月のマイナーチェンジで大幅に改善されて、直進安定性、ステアリングフィール、乗り心地、静粛性などなど、すべてがグレードアップした。
V6モデルは8速AT化による恩恵も小さくない。乗り比べると初期型オーナーは悔しい思いをするに違いない。
見た目が派手になったことに目が向きがちだが、実は中身はもっと大きく進化していて、日本が誇るフラッグシップミニバンとしてより相応しい境地に達していることを強調しておきたい。
マツダアテンザ 激変した時/2018年6月
マツダ6(2019年8月1日~)に改名前のアテンザが2018年6月に実施した商品改良も、実に大がかりなものだった。
アテンザのデビューは2012年11月なので、フルモデルチェンジしてもおかしくないタイミングに、あえて通常でいうビッグマイナーチェンジを実施したのは、やはり次期型は噂どおりFRになるからなのかもしれないが、その内容の濃さは驚くほどだ。
すでにエンジンほか各部の改良や車両運動制御技術G-ベクタリングコントロールの導入などいろいろあったわけだが、件の商品改良では、フェイスリフトした外観は印象がずいぶん大人っぽい雰囲気になったのは一目瞭然。
インテリアも同じ世代のうちにインパネを2度も作り直すという前代未聞のことをやっていて、よりフラッグシップらしい上質感を実現している。
上質さへのこだわりはドア開閉音、スイッチ類の見た目や触感の統一を図るなど、人が触れるあらゆる部分にわたり、シートの出来のよさも特筆できる。
パフォーマンスフィールと上質な走りを追求したという新しい「SKYACTIV-D 2.2」も大きく洗練されて、従来見受けられた飛び出し感も抑えられ、素直なアクセルレスポンスとスムーズな吹け上がりを実現している。
いっぽうの「SKYACTIV-G 2.5」は、新たに気筒休止機構が備わったのだが、普通に乗っているといつ切り替わったのかわからないほどだ。
車体やシャシーについても、次世代の車両構造技術を前倒しで採用しており、やや硬さを感じた足回りもしなやかになり、静粛性も高まって快適性が大幅に向上している。
その内容はまさに「大幅改良」でここまでやるかと思わずにいられないほどだ。
三菱アウトランダー 激変した時/2018年8月
2012年10月に現行型になったアウトランダーも、ずいぶんと変わった。ここでは販売比率の高いPHEVについて主に述べたいが、大きな変更があったのは、まず2015年7月。三菱ならではの「ダイナミックシールド」による顔になったほか、機構的にもいろいろ改良された。
さらに2017年3月の一部改良は、PHEVシステムの進化と新機能の追加、S-AWCの性能向上、予防安全装備の機能充実、スマートフォンとの連携強化、新グレードの追加など、実に内容の濃いものだった。パーキングブレーキが電動式となり、オートホールド機能が追加されたのもこの時だ。
断然よくなったと一番感じたのは2018年8月に発売されたマイナーチェンジモデル。エンジンが2.4Lに換装されたのがデカい。2Lでやれるだけのことはやったのだろうが、やはり2.4Lのほうが断然いい。
スポーツモードが設定されて、ONにすると瞬発力が俄然高まるのもうれしい。また、S-AWCの改良により、ハンドリングも変わっていて、新旧を乗り比べると新型のほうが圧倒的に気持ちよくコーナリングできる。
さらには、ボディ剛性が向上したことで、走りの質が大幅に高まっている。この副産物として、唯一のビルシュタインサスペンションが与えられるSエディションの硬かった乗り心地がマイルドになって快適性が高まったのも大きなメリットだ。
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