■今も疑問が残る播磨道の謎
テクノ中央交差点は、真円の公園に囲まれており、公園の外周には大きな庭石のようなオブジェが並んでいる。実はこの石、すべて樹脂で造られた量産品。庭石の向こうにはサンライフ光都が聳え、異世界感を高めている。
周辺には大学や研究機関が立地しているが、相変わらず街(とも言えないが)に人影はなく、クルマがまばらに通るだけだ。
サンライフ光都をはじめ、テクノポリスには集合住宅や戸建て住宅が存在する。緑豊かで店舗はほとんどなく、研究に没頭するには最適な環境と言えるが、当初目標の人口2万5000人に対して、現在でも人口は1500人に満たない。
現在、播磨道は全線が開通し、山陽道と中国道を連結している。交通量の多い山陽道が事故などで通行止めになった際は、中国道への迂回路となる。昨年9月に発生した山陽道・尼子山トンネル火災事故の際は、3カ月以上の通行止め期間中、迂回路として機能した。全線開通後のデータはまだないが、恐らく交通量も多少増えただろう。
しかし今回、全線走ってみて、改めて「なぜここに通したのか」という思いが沸いた。播磨道沿道には、テクノポリス以外、街らしい街がひとつもない。播磨JCTは鳥取道に直行できる位置なのに、なぜかテクノポリスからルートが東に逸れて大回りもしている。いったいなぜなのか。
播磨道の計画概要が決まった1987年当時、高速道路のルートは、建設省道路局が闇の中で決定していた。播磨道の謎は、地味すぎてほとんど誰も興味を抱かないまま、闇に葬られつつある。
2019年、国交省は、播磨道の暫定2車線区間のうち、播磨JCT-播磨新宮IC間を10 ~15年後をメドに4車線化する優先整備区間に選定する方針を発表した。理由は「事故防止の観点」となっている。
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