■日本人にスペシャルティな軽を買う余裕はない?
●1990年代初めまではそれなりに成功したが、最終的に挫折
軽自動車のバリエーションが広まり始めていた1970年代、実験的な意味も含まれていたのか、スペシャルティな軽が登場し始めた。その元祖は「水中メガネ」と呼ばれたホンダZだった。
Zはホンダが軽自動車から一時撤退したため短命だったが、スズキが歴代のセルボで2ドアファストバック、3ドアハッチバックを、ダイハツもリーザをラインアップし、1990年代初めまではまずまずのセールスを記録した。1990年代中盤以降は景気後退もあり絶滅状態となっていたが、1906年に5ドアHBではあるが広さよりカッコよさを優先したソニカとセルボが登場し、このジャンルが復活。
しかし、ユーザーはやはりコスパや、スタイルより広さが大切なのか、結果は振るわず2台とも登場から3年で姿を消してしまった。
■軽枠より小さいシティコミューター
●挑戦は続いているが、挫折が濃厚?
ヨーロッパでは全長3m以下のシティコミューターに優遇措置があるため普及も進んでおり、日本でもツイン、R1、iQが挑戦。
軽の2台は絶版となり、iQは現在も販売されているが、販売は低迷。理由は明白で、日本では優遇措置もなく、価格も決して安くない。だったら普通の軽のほうが4人乗れて実用性が高いということなのだろう。次期iQはあるのか興味深い。
■5ドアセダン
●挫折の連続だったが、今や当たり前の存在に
ヨーロッパでは人気の5ドアセダンだが、日本では今でいうCセグメント以上は「トランク付き」という常識の壁は大きく、コロナなど多くのセダンに5ドアも設定されたが、どれも鳴かず飛ばす。
しかし、2代目プリウスが「空気抵抗低減のため」という理由もあり5ドアとなったところ大ヒット。今では何の抵抗もなく受け入れられている。
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【番外コラム】ジンクスに打ち勝ったクルマはあるか?
ジンクスには敗れたクルマがほとんどだが、打ち勝ったクルマというのも少数ながらある。
ひとつめが3ナンバー専用車。1989年までは3ナンバーというだけで自動車税や任意保険が高額だったため、クラウンですら5ナンバー車が主流だった。しかし、初代ディアマンテはこの2つの見直しと合致するタイミングに登場という追い風もあり大成功を収めた。
アテンザは1990年代までは多くの車種があったディーゼルのセダンに果敢に参入。成功は言うまでもない。ディーゼルのセダンは徐々に減少し絶滅が続いていただけに、この成功は凄い!
(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)
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