基本的に日本車は時速180kmでスピードリミッターがかかる。しかし制限速度180kmなんて高速道路は存在しない。なんで時速180kmと決まったのだろう?
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobestock、ベストカーWeb編集部
■交通戦争といわれた時代の速度抑制策がきっかけ
日産GT-Rやホンダのシビック タイプRなど、サーキットでリミッターが解除できるクルマもあるものの、日本車は基本的に時速180kmでリミッターが作動する。とはいえ、日本には時速180kmも出せる公道は存在しない。なんでリミッターなんて設定したんだろうか。
これについては過去のベストカーWebで、モータージャーナリストの岩尾信哉氏が日本自動車工業会に問い合わせを行っている。
それによれば日本車にスピードリミッターが設定されたのは昭和50年(1975年)。当時は交通事故による死者が社会問題化しており、対応を求められた自動車メーカーが個別対応するという形で始まったという。
時速180kmの根拠だが、「高速道路の最大勾配である6%で100km/hの車速を維持するには、平坦路では180km/hで走行可能であることが必要」とされ、同様に軽自動車は140km/hに設定されることになった経緯があるという。
近年は脱炭素の流れから世界的にクルマのスピードは抑制傾向にあり、アウトバーンを抱えるドイツでも速度無制限をうたう区間はほんのひと握りしかない。同様の理由からスウェーデンのボルボは、2021年以降の市販車に日本車を同じ時速180kmのスピードリミッターを設定した。
いっぽう日本では、高速道路の制限速度を時速120kmに引き上げる動きが活発化している。移動時間が縮まることは確かに魅力的だが、燃費や安全も考え、快適なドライブを楽しみたい。
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