自動車界に激震走る!
1990年に誕生した定番ミニバン、トヨタ エスティマが2019年末で生産終了となることが明らかとなった。
また、1998年に誕生し、2003年には年間13万9570台を販売した日産 キューブも今年末での生産終了が明らかとなるなど、名門車の生産終了が相次いでいる。
このほか、三菱のパジェロやトヨタのマークXも生産終了を発表しており、さらにレガシィB4も国内モデルは2020年に生産終了濃厚であることがわかった。
なぜ定番の名門車に生産終了が相次いでいるのか? 名門車が生産終了せざるを得なくなった背景には“時代の変化”が大きく関係している。
文:伊達軍曹
写真:編集部、TOYOTA、SUBARU
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トヨタ エスティマ/2019年10月生産終了
初代エスティマの発売は1990年5月でしたが、まだ5ナンバーサイズのバンが中心だった当時の日本では「大きすぎる」、「高額すぎる」ということで大ヒット作にはなりませんでした。
しかし2000年1月登場の2代目は、微妙なサイズダウンを行い、そして何かと使い勝手の良いFF(前輪駆動)レイアウトに変更したことで大ヒット。
折からのミニバンブームという追い風も受け、2000年には12万台以上が売れて販売台数ランキング3位に。翌2001年も4位、2002年も7位と、堅調なヒット作であり続けたのです。
■なぜ生産終了に?
2006年に3代目となったエスティマも、当初はまずまず売れました。しかし2008年に同じトヨタの2代目アルファード/ヴェルファイアが発売されたあたりから、時代の空気が微妙に変わってきました。
3ナンバーのラージサイズミニバンに関しては、アルファード/ヴェルファイアに代表される押し出し感の強いもの、簡単に言ってしまえば「オラオラ系」に人気がシフトしてきたのです。
その結果、押し出し感ではなく「シンプル」、「プレーン」を売りにしていたLサイズミニバンであるエスティマは「たくさん売れる車」ではなくなってしまいました。そのためメーカーはこのたび、エスティマという名門の「整理」を決断したのです。
トヨタ マークX/2019年12月生産終了
FRレイアウト(後輪駆動)の4ドアセダン「マークX」が登場したのは2004年。俳優の佐藤浩市さんが出演したテレビCMをご記憶の人も多いかと思います。
マークXの前身は1968年登場の「マークII」。全盛期の1990年にはマークII 3兄弟(マークII/チェイサー/クレスタ)合計で月に5万5000台も売れまくっていました。そのためマークII時代も含めるならば、マークXブランドは「名門中の名門」ということもできます。
しかし、そんな名門も2019年12月には生産終了となることが正式発表されました。
■なぜ生産終了へ?
名門が消滅するに至った理由は、世の中の「セダン離れ」です。
初代マークXの登場は2004年ですが、当時はすでにミニバンブーム真っただ中。そして2代目が登場した2009年は、今も続くSUVブームが始まった頃でした。
そのため、高齢化したマークIIユーザーからの「若返り」を狙って投入されたマークXでしたが、肝心の比較的若いユーザーには刺さりませんでした。
2018年上期の販売台数を見ると、セダンの数は全体の約16%でしかありません。こうなると、いかに名門とはいえ「お家の存続」は難しい……ということなのでしょう。
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