スバル広報部に取材してみると…
編集部 年次改良を行うことを前提に開発しているのですか?
スバル モデルライフを通じて、随時改良を施していくことは通例となっています。モデルイヤーごとに開発目標を定めていますが、しっかり開発をやりきってから発売しています。よって、目標未達だが次年度モデルで対応、という考えは持っていません。
編集部 新車がデビューした後、年次改良に向けて、テストやユーザーの反応など、どのような体制を敷いていますか?
スバル 商品企画サイドではセールスヒアリングやユーザー調査(アンケート/インタビュー)を通じて、市場のニーズを把握。
技術部門では、技術動向(トレンドや要素技術の進化)の把握。両者を突き合わせ、さらには社内のリソースなども考慮しながら、実際に年次改良として取り上げるアイテムを決めていきます。
編集部 年次改良について、スバルユーザーからのクレームや文句などはないでしょうか?
スバル 基本的には、常に最良を追求するメーカーであると、ポジティブに受け取られていると思っています。改良前モデルのユーザーから、年次改良は気になる(うらやましい)という声もありますが、「それでも、自分のクルマは気に入っている」、「自分のクルマが改良され評判が上がるならよい」と言っていただける方も多いように思います。
また年次改良時期が近くなってきたら、メーカーから販売店へ、できるだけ早めの情報展開をすることで、納車を待っている間に新型が発売された、という事態を避けるようにしています。
ということで最後は実際にスバルユーザーたちはどう思っているのか、スバリスト代表としてマリオ高野氏はどう思っているのか聞いてみた。
高野氏〉「スバル車はいつ買うのが正解か?」これはスバリストにとって重要なテーマです。スバル車は昔から年次改良の幅が大きく、1年違いでサスペンションの味付けがガラッと変わることもあり、その傾向は近年ますます顕著に。
それゆえ初期型を買うことを躊躇する人が少なくないのですが、いっぽうで初期型は性能に余裕をもたせられることもあるのが悩ましいところ。
例えば、私が今も所有する初代WRXは初期型のみエンジンブロックが高剛性のクローズドデッキで耐久性が高く、初期型を買って正解だったと思っていますが、そういうケースもあるのです。
理想は、初期のA型を買って3~4年後の熟成を極めたD型に乗り換えること。スバル車の場合、WRX系は下取りの相場が驚くほど高いので、WRX系なら案外現実的なプランといえるでしょう。
ということで、年次改良は、買ったオーナーからすれば、悲喜こもごもだが、ちゃんと改良することを、購入しようとしているオーナーに前もって早くから伝え、知らずに買う人をなくせば、とてもいいことじゃないか、というのが結論です。なにも改良されないほったらかしのクルマを買う気にはなりませんからね。
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