日産、ターンアラウンド計画の進捗を発表
同日、日産自動車は事業のスリム化と成長戦略を掲げた「ターンアラウンド計画」の進捗を発表。2026年度に向けて、固定費と変動費の合計4,000億円削減を掲げ、より効率的な経営体制を構築するとしている。
同計画の主なポイントは以下の通り:
・固定費の削減:販売費や生産拠点の再編により3,000億円以上削減
・変動費の削減:部品共通化や生産計画の最適化で1,000億円削減
・生産能力の見直し:タイ工場を含む3工場を閉鎖、グローバル生産能力を500万台から400万台に削減(350万台でも利益の出るコスト構造へ転換)
・人員削減:グローバルで一般管理部門の人員を2,500名削減、生産工場の人員を2026年度末までに6,500名削減
・営業利益率:2026年度に4%を安定確保する体制を構築
特に生産拠点の最適化では、中国市場での生産能力を150万台から(2024年度末の時点で)100万台へ縮小し、他の地域でも最適化を進める。これにより、工場稼働率を2024年度の70%から2026年度には85%へ引き上げる方針だ
日産は、ターンアラウンド計画の中で商品競争力の強化にも注力する。今回の会見で日産の新型車投入計画の一部が明らかにされ、欧州市場に新型キャシュカイ、北米市場に新型ローグPHEVとe-POWER、日本市場に新型軽自動車と大型ミニバン(次期エルグランド)が順次投入されることが明言された。
特に注目は、新型のプラグインハイブリッド(PHEV)と、燃費効率の向上し高速巡行にも対応した第三世代e-POWERの導入。魅力的な新商品が揃えば経営の再建は充分可能だろう。今年度は通期で800億円の赤字となる見通しが発表され、足元の経営体制が不安視されたうえで記者から進退を問われた日産内田社長は「再建計画をやり抜く」と覚悟を示した。
また、組織改革として、現状の執行役員制度を廃止し、新たに執行職制度(非役員)を導入する。執行職の人数は、現在の執行役員から2割削減し、スリム化された階層の少ない組織のもとで若手の抜擢を促進する方針だ。
資本提携については、新たなパートナーシップの機会を模索しながら「事業ポートフォリオの最適化」を進めるとしている。
シナジー効果を最大化する経営統合プランが縮小し、三社が「戦略的パートナー」に留まることになったのは残念だが、上述のとおり、バッテリー調達や次世代SDV開発、ソフトウェア開発の共同化など、協業というかたちで一緒にやれば明らかに効果が大きい分野はたくさんある。5年後、10年後、今回の協業について振り返ったときに、「あの時はうまくいかなかったけど、日産とホンダが協業してよかったね」と言える日が来ることを祈っている。
それにはもちろん日産のターンアラウンド計画成功が大前提となる。工場閉鎖や人員整理などハードルは高いが、激動のグローバル市場で競争力をいかに強化できるか、今後の焦点となる。
なお日産の記者会見で、今回の日産とホンダの経営統合交渉において、「国(経済産業省)からのなんらかの申し入れや圧力はあったのか」だとか、「台湾大手メーカーの鴻海精密工業(ホンハイ)から資本提携の申し出はあったのか」という質問が記者から飛んだが、どちらも「そういう話はいっさいなかった」と内田誠社長が明言した。
【画像ギャラリー】無念さ滲むも再起に賭ける!! 日産とホンダ経営統合断念「戦略的パートナー」に留まる理由と事情と再建計画(2枚)画像ギャラリー


コメント
コメントの使い方これで日産は終わりとか、ホンダは体よく日産側から断ってくる手段を選んだとか、色々言われてますが、そんなこと無いと思ってます。
今後も密に協力していって、GTRなどスポーツカーブランドとしてnismoはホンダ協業で残っていくと思いますし
三菱ホンダ日産のそれぞれの技術やノウハウを生かした次世代車は、完全姉妹車化も、充電マネジメントや自動運転のソフト共有化もありえます。
日産自内田社長は、どこまでフン切りの悪い男だ?この期に及んでもまだ次のパ-トナ探しとは!!!情けない男。経営能力がないことに早く気が付けよ。再生にはまず経営陣総入れ替えから。