激安でも思い出は新車以上!? 俺のやっすいクルマ列伝

激安でも思い出は新車以上!? 俺のやっすいクルマ列伝

最近のクルマの価格は高いし、3ペダルのクルマも少ない。だから安い中古車を買おうと思ってもスポーツカーだとなかなか高い!! そこで自動車業界の猛者たちが買った「やっすい」クルマたちを集めてみた。最新のクルマでは味わえない激安のクルマたちに思いを馳せて……。

文:ベストカー編集部
ベストカー2016年11月10日号



安いクルマでも思い出は新車以上!?


世の中に存在する「激安」のクルマたち。値段相応の場合もあれば、あながち悪くないなんて場合もあったり。今回はクルマ界のスペシャリストたちが買った「やっすい」クルマたちと、その思い出をふり返ってもらった。最近の新車が高いという人はぜひこの「やっすい」クルマたちを見て、楽しいカーライフを送ってもらいたい。

代車に2万円の軽自動車(竹平素信)


クルマ商売をやっていると代車はやっぱり必要だが、貧乏テイクスに高級車はムリ。で、今の代車は4年前にクラブ員が「廃車にするから2万円なら売るよ」てなことでゲット。初年度登録平成12年の三菱ミニカバンです。

これが程度上々。交換部品なしで車検パス。当然ワシがやるから出費は法定費(4万円程度)のみ。買ってから4年後の今も絶好調だ。オドメーターも7000㎞と少なく、バリバリ走る。代車に出すと「調子いいねぇ」と言ってくれるぞ。エアコンもしっかり効くしな。が、エアコンを入れると一気にパワーダウンしてしまうのはなぜか。

いっぽうで装備はメイクなしの超スッピン。ラジオなし(さすがに後付けしたが)、パワステなし、タコメーター、トリップメーターもない。と、なんとも質素ですな。今どき4速MTだし。が、お客様にはこれが好印象らしい。テイクスのミニカバンに乗ってみたい方、OKじゃ。

 

タイヤマイスターのクルマ道はここから始まった(斎藤聡)


やっすいどころか、知り合いのクルマ屋さんからタダでもらったパブリカ。モデルは石坂浩二さんがCMをやっていた2代目の「ガッツ! パブリカ」。どんな経緯でそのクルマ屋さんの手元に来たのかは知らないが、ダンパーにデフオイルが入れてある(ほんとか?)とかでダンパーはガチガチ。

それから、なぜかキャブレターのジェットニードルが途中からスパッと切ってあるらしく、アクセルを2分の1くらい開けると勝手に全開になってしまうという……面白くも危ないクルマだった。そうそう、当時はまだ有鉛ハイオクってのが売っていて、それを入れるとなぜか8000回転くらい(後付けのタコメーターによると)回った。

当時は細かいことはかまわず、ただ乗っているのが楽しかったのだけれど、今思い返してみると排気量不明。たぶん1200㏄だったのではないかと思う。時々、無理に足としても使っていたのだけれど、さすがに渋滞では乗りにくく、夜な夜な河川敷のダートロードを走って遊んでいたのでした。

元ベストカーガイド編集部員のあの評論家はドイツ車に(国沢光宏)


私が最初に買ったクルマは初代RX-7の中古車で、100万円しました。37年前にもかかわらず近所の月極駐車場って3万円! そんなことから毎月3万円くらいのローンを組むことにまったく抵抗なかったのだ。

しかし! ベストカーガイドの編集部に入って輸入車に乗ったら「これだ!」。目が覚めちゃったんですね。たまたま個人売買のページ担当だったため、掲載モレになったアウディ80を購入した次第。確か30万円くらいだったと思う。

壊れたら捨てる気持ちでの購入です。しかし! 多少古かったものの驚くほどコンディションのいい個体で、壊れることもなし。すばらしい買い物でしたね。このクルマで輸入車の面白さに開眼した。以後、アルファロメオ、ボルボ、シトロエンと輸入車ばかり乗り継ぐことに。読者諸兄も国産車しか経験なければ、ぜひ格安の輸入車にチャレンジしていただきたい。上物なら案外壊れないです。

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ジムカーナチャンプは7万円で社用車を購入!? (山野哲也)


自分の会社用のクルマを探していたら、近所の知らない板金屋さんに中古の初代ステップワゴンが置いてあり、7万円と表示されていたんです。「70万円の間違いじゃないよな?」と思って近づいて見たらやっぱり7万円と書いてある。

その時はそのまま戻ったんですが、その後、そのクルマの安さが気になって気になって(笑)。2週間後にまたいってみたら、同じように置いてあり、改めて店の人に確認したら「ナビが壊れてますけど、7万円です」とのこと。その場でよく見て事故車でないことを確認し、「これください」って買っちゃいました。

もう6~7年前の話ですが、今も現役で活躍中です。買い物って時々「モノとの出会い」がありますよね。この激安ステップワゴンは、まさにその「出会い」でしたね。僕も時々運転しますが、とてもいいクルマで大満足しています。

あの名車をたったの5万円で買っちゃった!? (岡本幸一郎)


2003年の話。当時出入りしていた編集部の知人から「クルマを売りたがっている人がいる」と聞き、直接話をすることに。すると「車検も近いしボロなのでタダ同然でOK」的なことを言われ、当時はプジョー205 GTIの価値をよく把握していなかった筆者は、真に受けて本当に5万円しか払わなかった。

当時はそれほどでもなかったとはいえ、今の相場を考えると、なんともお恥ずかしい話。売ってくれた人とは以降は接点がないのだが、願わくはお詫びしたい……。そしてその205 GTIではこんな後日談が。調子よく走ってくれていたのだが、購入から半年も経っていないある日、高速を走っていて、突然エンジンルームから「カンカンカン!」と金属音がしだした。

ほどなくエンジンは止まり、二度と息を吹き返さず。JAFで修理工場にレッカーで運んで診てもらったところ、原因はエンジンオイル不足による焼き付き。なんとオイル残量警告灯が球切れしていたんだよね……。

若手評論家はバブリーなあのクルマを8万円で(永田恵一)


今でこそ現行車を買えるようになった私だが、つい2年ほど前まではクルマの値段とはいえないような激安カーに散々世話になっていた。そのなかで特に思い出深いのは2台。

1台目は20代初めに12年落ちを車検切れながら確か8万円で買った2代目ソアラGTツインターボL。私は2代目ソアラに小学生の頃"夢が詰まったクルマ"と憧れており、買った時は「夢が叶った!」と大喜びしたものだった(ずいぶん安い夢だが)。

当時は時間があったうえ、ハイオクが100円で買えたこともあり、1年間で2万㎞を走り、夜中に首都高の高井戸出口付近でタイミングベルトが切れるというオチも経験させてくれた。

2台目は20代後半にやっていた草レースの本番車が111型レビンだったため、マイカー兼練習カー兼バックアップカーとして確か10万円で買った同じレビン。コイツはボロながらまったく壊れずよく走ってくれ、私にかけがえのない走る喜びを与えてくれた。


ベストカー編集部のベテランもやっすいクルマ経験者(BC編集部 飯干)


大学2年の時、先輩から「俺のクルマを3万円で買わないか?」と持ちかけられ、即決。3万円にしてはハイクラスなケンメリスカイライン2000GTXのオーナーになった。

当時の厳しい排ガス規制に対応した、NAPSと呼ばれる非力なエンジンで「遅い」「鈍い」「重い」の三拍子が揃っていたが、生まれて初めての自分のクルマ。どこに行くのもケンメリだった。

なかでも思い出深いのは実家の大阪に帰る途中、海老名SAでヒッチハイクしていたイタリア人の若いカップルを乗せたこと。運転手(私です)そっちのけで、京都で下ろすまでにケンカと仲直りを繰り返すこと3回。しかも仲直りするたびにカノジョの頭を撫でて愛を囁くルーティンをこなしているのを見て、イタリア男は大変だなと思った。

男が別れ際に「ナイスカー!」と言って親指を立てたのは、罪滅ぼしのつもりだったのか。その後、ケンメリの走りが以前より活発になったように感じたのは、やはり気のせいだろうね。