一カ月で「飲酒運転20件」はさすがにひどい…2500台の認可取消「日本郵便」の安全確認義務違反の原因と配送網崩壊危機

不足と無関心がもたらす安全崩壊

 ドライバー不足による過重労働は、点呼や整備などの手順を省略しがちです。一方で、社会全体が物流インフラへの理解を欠くことで、企業はコスト削減や効率化の名目で安全管理投資を後回しにしやすくなります。結果として性善説の下で形骸化した点呼が重大事故や許可取消しを招き、配送網全体の信頼を損なう悪循環が生まれます。

 以下、当編集部が考察した、構造的な解決に向けたロードマップを掲示します。

【ドライバー待遇改善と確保】
賃金引き上げや労働時間短縮、働きやすい環境整備で若年層参入を促進。

【点呼のデジタル化・監視強化】
アルコール検知器・モバイルアプリ連携によるIT点呼を全事業者へ普及。

【共同配送・物流DX推進】
空き帰り荷のマッチングや共同プラットフォームで稼働効率を向上。

【社会的理解と啓発活動】
消費者・荷主企業への「物流の見える化」キャンペーンで、持続可能な物流モデルへの協力を呼びかける。

 ドライバー不足と物流への無関心が交錯する今こそ、事業者・行政・社会が一体となり、安全最優先の物流インフラを再構築しなければなりません。日本郵便の事例は氷山の一角です。持続可能な輸送基盤を次世代へつなぐために、私たち一人ひとりが「物流」をより身近な課題として捉える必要があります。

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