グローバルラリークロス。それはラリーでもなく、レースでもない、近年盛り上がりを見せる大人気のカテゴリーだ。
WRCで名声を馳せたSTIがこのグローバルラリークロスに2017シーズンも参戦する。その車両開発を担うテストドライバーは新井敏弘選手。
衝撃続きのテスト走行をレポートする。
文:ベストカー編集部/写真:池之平昌信
ベストカー2017年3月10日号
ラリークロスとはいったい!?
ターマック、ダートコース、ジャンプが組み合わされた特設コースで繰り広げられる自動車レースの格闘技、グローバルラリークロス。混在する路面と、ぶつかりあうマシンたちが、ダイナミックなレース展開をもたらす。
昨年10月のLAの最終戦には新井敏弘選手がスポット参戦し、注目を集めたのが記憶に新しい。以下の動画が10月のラリークロスの光景(5:00〜レースの光景が見られる)。そのダイナミックなシーンは日本のファンもきっとハマるはずだ。
2017年マシンはSTI直轄で新井敏弘選手がテストする
その後、1月13日の東京オートサロンで平川良夫STI社長に直撃すると「昨年までスバルラリーチームUSAに技術支援をしていましたが、今年から開発の主体はSTIになります。本気で優勝狙っていきます」と力強い言葉をもらった。
同時に「2017年モデルの開発に向けて新井敏弘選手をテストドライバーに起用します。1月25日にも国内初のテストを行いますので本庄サーキットに来ませんか?」と誘われた。
もちろん行きますと即答。ということでやってきました埼玉県本庄サーキット。目の前に現れたWRX STI GRCは2016年シーズンを戦ったクリス・アトキンソン車だ。
本格的なGRCマシン開発に向けて今年1月からGRCチームリーダーになったSTIの野村章さんは「今回のテストの目的は2017年モデルの開発に向けて’16年モデルの課題を洗い出し、数値化することです」と意気込む。
いっぽう、レーシングスーツ姿に着替えた新井敏弘選手はいつにも増して真剣な面持ち。
「2017年シーズン、勝てるようなマシンを作りあげていかなくてはいけないので気合いを入れて走ります」
午前9時過ぎ、エンジンに火が入り、GRCマシンがコースイン。バリバリバリッという、けたたましい音とともに新井選手が、1周約1.1kmのショートサーキットを攻めていく。
このWRX STI GRCには、580ps/9kgmを発生する4mmのリストリクター付きのEJ型2Lターボに、6速シーケンシャルドグミッション+AWDが組み合わされている。
午後からは、約260mのストレートで、ローンチコントロール(ホイールスピンを防いでスムーズにすばやく発進させるシステム)を使った発進加速テストを行った。
バリバリバリ、ヴォーヴォーヴォと耳をつんざく轟音とともに加速していく姿に唖然!!
0-100km/hタイムは明かしてくれなかったが2秒台前半だという。ということはR35 GT-Rの2.7秒はおろか、1500psの新型ブガッティ・シロンの2.2秒に匹敵する速さだ。
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