「フェラーリに200億」は正当なのか
さて、フェラーリに最高額が支払われる計算根拠だが、ひと言でいうと「長年にわたるF1への貢献」である。
近代F1の初レース、1950年イギリスGPから参戦し続ける唯一のコンストラクターとして、その不在を誰も想像できず、
またファンの目を引きつけ熱狂を呼び覚ます無二の存在であることを考えれば、フェラーリへの群を抜いた分配もむべなるかな、とは思う。
だが、フェラーリ以外にもメルセデス、レッドブル、マクラーレンの4チームに、CCB(=コンストラクターズボーナス)や特別契約金(FIAからの委託テスト代)などがランキングに関係なくトッピングされ、
もともと資金的余裕のある有力チームに多額の金が流れ込むシステムが、1981年のコンコルド協定誕生以来、基本的に何の変更もなく30年以上も続いていることについては唖然とする他ない。
その底には有力チームの、「自分たちの既得権を手放したくない」、「だけど下位チームがいなければイベントは成立しない」というアンビバレントな考えが潜んでいる。
時代劇で悪代官が「百姓は生かさず殺さず」と意地悪く笑うセリフの、「百姓」を「下位チーム」に置き換えれば妙にツボにはまる現行のシステムがこの先も継続されれば、早晩チーム数はさらに減少し、
F1に待っているのは破綻の運命……と誰もが考えた2016年、F1の支配権は前CEOのバーニー・エクレストン氏からF1株を買収した米メディア関連企業、リバティメディアの手に渡った。
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