産官学で交通事故削減を目指す!! [沖縄ゆいまーるプロジェクト]って何?

■沖縄県警察本部と連携協定を締結

沖縄県警が持つ事故データと車両側のプローブデータを合わせることで、危険箇所が浮かび上がり、速度抑制ポールの設置など実効性の高い事故防止対策が可能になった
沖縄県警が持つ事故データと車両側のプローブデータを合わせることで、危険箇所が浮かび上がり、速度抑制ポールの設置など実効性の高い事故防止対策が可能になった

 2023年2月から沖縄県警察本部が本格的にプロジェクトに参画した。沖縄県警が持つ交通事故データと車両データを照合させることで、潜在的な危険箇所の把握と道路対策への反映が可能になった。

 例えば事故の多い国道に流入する左折フリーの交差点に速度抑制ポールを設置することで、顕著に事故が減ったという。また見通しの悪い下りコーナーの先で渋滞が起きやすく衝突事故が多発していた場所では、滑り止め舗装をした結果、事故抑制につながったという。いずれも沖縄県警が持つリアルな事故データと車両側のプローブデータを合わせることで、見えてきた危険箇所であり、事故対策だ。

 ここに産官学のパートナーシップが完成した。特に沖縄県警察本部が事故データを提供し、民間企業の技術やデータ、そして大学の先生の知見を活用しながら一緒になって事故削減に取り組んでいる姿が印象的だ。取り締まりや規制だけではなかなか事故は減らず、科学的なデータを用いた危険箇所の改修や安全対策が重要との考えには同感だ。

■「沖縄モデル」として全国展開を目指す

「沖縄ゆいまーるプロジェクト」に参画する皆さんと今後の発展を願って記念写真
「沖縄ゆいまーるプロジェクト」に参画する皆さんと今後の発展を願って記念写真

 2024年には東京海上日動がプロジェクトに加わり、通信機能付きドライブレコーダーのデータ提供を始めた。これにより「ヒヤリハット」地点の深堀りや道路環境の改善が進むことが期待される。

 また、トヨタ自動車は車載アプリではなく、ナビ画面内にポップアップ表示できるように開発を進めており、マルチメディアへの搭載が可能になれば「スマイルくん」の機能が日本全国どこでも使えるようになる。

 沖縄独自の産官学の協力による交通事故削減の活動は「沖縄ゆいまーるプロジェクト」と名付けられた。「ゆいまーる」とは沖縄の言葉で「一緒に取り組む」とか「助け合う」という意味を持つ。

「沖縄ゆいまーるプロジェクト」は、沖縄の抱える交通事故問題に産官学で取り組み、成果を出してきた。交通事故対策や渋滞対策は各地域の道路環境や交通量、そして県民性が大きく関わるものだ。当然地域ごとに事情は大きく異なるが、オーバーツーリズムが問題となっている日本のほかの観光地はいずれも沖縄と同じような問題を抱えているはずだ。

 沖縄の成功例を「沖縄モデル」としてほかの都道府県が研究し、落とし込んでいくことができれば、事故削減に向け大きな成果が生まれるはずだ。今後の展開を期待したい。

【画像ギャラリー】レンタカーの17台に1台が事故発生ってホント!? 最大で6割減となった画期的システム「スマイルくん」(9枚)画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

新型ハリアーには次世代エンジンを搭載し登場!? 新型車や業界ニュースなど注目情報満載【ベストカー7月26日号】

新型ハリアーには次世代エンジンを搭載し登場!? 新型車や業界ニュースなど注目情報満載【ベストカー7月26日号】

エンジンはまだまだ終わらない! そんな新時代の心臓を一番手で収めるのは、なんとハリアーとカローラだった!? ベストカー7月26日号、注目情報満載でお送りします