ホンダ N-ONE e:は純正アクセサリーまで環境配慮!?　使用済み自動車の素材がドアバイザーに！

　カー用品で初の快挙!?　三菱ケミカルがホンダと共同開発したリサイクル材が、N-ONE e:用ドアバイザーに採用された。使用済み自動車から出た廃材を原料に戻す技術で資源循環とCO2削減をねらう！　N-ONE e:はとことん「地球にやさしく」を目指したクルマになれるか!?

文：ベストカーWeb編集部／画像：PRTimes、ホンダ、ベストカーWeb編集部

使用済み自動車の素材を用いて新たなクルマ用アクセサリーに！

　三菱ケミカルは、ホンダと共同で開発したアクリル樹脂のリサイクル材が、2025年9月12日発売の新型軽EV「N-ONE e:」用純正アクセサリーであるドアバイザーに採用されたと発表しました。自動車業界でこの素材が使用されるのは初とのことで、自動車における資源循環を促進する一例と言えるでしょう。

　これは、簡単に言えば、これまで困難だった使用済みのクルマから回収された樹脂も再利用できるようになりましたよ、というもの。ドアバイザーは雨天時の換気や日差しの軽減など日常で使用頻度の高い部品。視認性と耐候性が求められる透明パーツだけに、リサイクル材で品質を担保できた意義は大きいと言えます。

　本ドアバイザーで使用されるPMMA（ポリメチルメタクリレート）ことアクリル樹脂は、熱分解することで原料であるMMA（メチルメタクリレート）に戻せるのが特長です。三菱ケミカルは2021年から「マイクロ波化学株式会社」と共同研究を進め、この技術を確立しました。

環境配慮はパワートレーンだけじゃない！

　課題だったのは、使用済み車両から外した樹脂の異物混入や品質のばらつき。そこでホンダ、北海道自動車処理協同組合と連携し、回収の工程設計と選別を見直すことで、材料製造から廃棄までのCO2排出量を抑え、資源循環のモデルを提示しました。

　この優れた技術と素材が、新型EVであるN-ONE e:に採用された意味は大きそうです。ガソリンによる環境への影響ばかりが取り沙汰されますが、N-ONE e:はそれだけでなくアクセサリーパーツにまで環境配慮の意識を向けていることが見て取れます。

　順次、他のモデルに対しても、この技術の適用を拡大していくとのことです。

　もともとホンダはN-VAN e:やN-ONE e:に廃棄バンパーを「バンパーリサイクル材」として、フロントグリルにも使用するなど、「リソースサーキュレーション」に取り組んでいました。　

あらゆるアクセサリーが再生素材に!?

　今回のドアバイザーだけでなく、ホンダの純正アクセサリーをあつかうホンダアクセスは、サステナブルマテリアルであるリサイクルPET素材を用いたフロアカーペットマットもラインナップに加えています。

　この製品もまた、原材料製造時のCO2排出量の削減や将来の循環型社会も対応が見込めると期待されているとのこと。

　N-ONE e:用ドアバイザーは、前後左右4枚セットで28600円（税込）、フロアカーペット（スタンダードタイプ）は2万2000円（税込）、プレミアムタイプのフロアカーペットは2万9700円（税込）。金額は、いずれもメーカー希望小売価格。