路線バスのEV化に対応する専用タイヤ「NANOENERGY M648 EV」が登場した。大容量の駆動用バッテリーが搭載されたEVバス特有の重量増や高トルク耐摩耗に対応した性能に注目だ! 公共交通の電動化を支える新しいスタンダードが打ち出される!?
文:ベストカーWeb編集部/写真:TOYO TIRE
【画像ギャラリー】環境配慮は足元から! 2030年のEVバス1万台にさきがけてTOYO TIRESから専用タイヤが登場!(5枚)画像ギャラリーEV時代の公共交通には専用のタイヤが不可欠!?
TOYO TIRESがEV路線バス専用タイヤ「NANOENERGY M648 EV(ナノエナジー エム ロクヨンハチ イーブイ)」を発売すると2025年9月22日に発表したぞ! サイズは275/70R22.5 148/145Jの1サイズ。価格はオープン価格だ。
本製品は、国内で本格化するEVバスの導入を見据え、重量増とモーター特有の高トルクによって増大する負荷に対し、耐摩耗と低電費の両面で応えようというもの。いわば、EVバスに最適化されたタイヤの開発に成功したということだ。
EVバスは大容量バッテリー搭載で車重がかさむうえ、発進や加速・回生でタイヤにかかる荷重・トラクションが大きい。このため摩耗寿命の延長と、1充電あたりの走行距離に直結する転がり抵抗の低減が重要になる。
一見すると矛盾する性能! でも実現しちゃいました!!
本来相反するはずの耐摩耗性能と低電費性能だが、これを両立させたのが、「耐摩耗NCPコンパウンド」の技術。独自のゴム材料開発基盤技術「Nano Balance Technology(ナノバランステクノロジー)」によって、エネルギーロスを抑えるとともに耐摩耗性能に優れた配合を実現している。
さらに、ブロックの大型化・高剛性化で接地圧を均一化。これが耐摩耗性能等を向上させ、タイヤ設置時の過度な動きを抑えてくれる。また中央の「縦断屈曲サイプ」は、局所的負荷を逃がしてくれるだけででなく、サイド部の「接地端サイプ」は摩耗の偏りを抑制。
要は、接地時の過度なブロック変形を防いでくれるのだから驚きの一言。
転がり抵抗もトラック・バス用開発基盤「e-balance」を活用した新パターンで低減を狙う。加えて再生ビードワイヤーも採用し、環境面にも配慮。EVであるからには、ガソリンやCO2のことだけでなく、さまざまな箇所での環境意識を示したいところ。本製品まさに、足元から気にする環境問題と言ったところだ。
企業努力の賜物!? 試験結果もバッチシ!
テスト結果は上々で、BYD K8を2台使用して約9000kmの走行を行い摩耗性能を調べた結果、既存品M638から耐摩耗性能が8%も向上! 一方、転がり抵抗については室内試験機で測定したところ、M638比で4%性能が向上している。
この性能向上は、上述の材料・構造・パターン設計などさまざまな側面から工夫改良を行ったことによるものだとよくわかる。
ラインナップは現時点で1サイズに限られるが、路線バス用途の標準的な22.5インチ規格を押さえており、2030年までの目標であるEVバス1万台導入を支えることが期待されている。新時代の公共交通を担う有力候補は、「NANOENERGY M648 EV」となるかもしれない!?








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