大切な愛車を保管するなら屋根付きガレージが理想的だと思うクルマ好きは多いだろう。
しかし、これがなかなかハードルが高い。
都市部のマンションであれば駐車場が併設されているところも多いと思われるが、立体駐車場や共有スペースの一角というケースが大半だ。
ビルトインガレージ付きの戸建てとなると、少なくとも部屋ひとつ分以上のスペースが必要になるため、相応の広さの土地を確保しなければならない。また、建売でビルトインガレージ付き物件は数が少ないため、必然的に注文建築となる。
月極駐車場で屋内保管の物件を探した経験がある人であれば理解していただけると思うが、そもそも数が少ない上、いわゆる「青空駐車場」と比べると賃料がハネあがることが多い。
大切な愛車のコンディションを維持したい。しかし、予算が限られている・・・。そんな時に重宝するのがボディカバーというわけだ。
ボディカバーについては肯定派と否定派のまっぷたつに分かれる印象がある。果たして実際はどうなのか。筆者の実体験、関連ショップやコーティング専門店の意見を含めて考察してみた。
文/松村透
写真/松村透、日産、マツダ、Adobe Stock(トビラ写真:peshkov、o1559kip、adempercem、OceanProd)
■メーカー純正品orアフター品? ボディカバーにはどんな種類があるのか?
ボディカバーといっても、さまざまな種類のものが販売されていることは知ってのとおりだ。
1.メーカー純正品
・フルカバー(車種専用)
・フルカバー(車種・屋内専用)
・ハーフカバー
2.アフター品
・フルカバー(車種専用)
・フルカバー(屋内専用)
・汎用品
・ハーフカバー
大別すると上記のように「純正品」と「アフター品」に分類される。
他の部品でありがちな「純正品がベスト」という認識(先入観? )について、ある程度当てはまるとはいえる。
しかし、ボディカバーに限った話でいえば、アフター品は純正品と比べて品質が劣るのかというと、決してそうではない(製品も存在する)と断言したい。
事実、アフター品ならではのこだわりや工夫が随所に見られる商品も少なくない。具体的にはボディカバーの表裏の素材や、縫製、車体への固定方法、通気性、フッティングへのこだわりなど、相応の投資をするだけの価値はある。
その反面、安い製品の作りや耐久性はそれなり・・・というわけだ。
■ボディカバーは実はクルマにとってはよくない?
ボディカバーは実はクルマにとってはよくないと決めつけるのは早計だが、「諸刃の剣」であり、保管環境や使用方法を誤ればボディ表面に傷がつくことは事実だ。
ボディカバーを被せる状態の車体の状態(ボディの汚れ、洗車後の水分を充分に拭き取っているか)や、装着や保管方法(取扱説明書どおりに保管しているか)、保管場所(埃などが付着しにくい場所)・・・などなど。
意識してみると意外と気をつけるポイントが多いものだ。
つまり、ユーザー側が正しい使い方をしていれば、一定の傷を防ぐことができるアイテムだといえる。正しい使い方をしていても傷が・・・という場合は、保管場所の周囲の環境に原因がある可能性も考えられる。
■風で擦れて傷が付くのか?
ボディカバーを使用するとボディ表面にキズがつくという話を聞いたことがあるかもしれない。筆者自身も経験があるが、実際に細かなキズがついた。いわゆる「カバー傷」というやつだ。
当時クルマを駐車していた場所の近くに畑があり、冬になると空気が乾燥して強風とともに大量の土埃が舞い上がる。ひどい時には視界不良になるほどだ。これが一冬に最低でも1回、多いと3〜4回起こる。
その風がクルマを直撃して否が応でもボディカバーとボディのあいだに入り込んでしまうのだ。これは保管環境の問題だと諦めざるを得なかった。
とはいえ、筆者のように、ボディカバーを使いたい事情があるユーザーもいるだろう。最低限押さえておきたいポイントとして
・ボディに触れる裏地の素材が起毛または不織布で作られているもの
・車体の下側にバンド等で固定できる作りのもの(できれば2箇所以上)
・予算があるなら車種専用品
・・・が挙げられる。
■最低でも1週間に1度はカバーをとって通気が必要?
何らかの理由で長期保管のためにボディカバーを被せるケースもあるだろう。
この場合、気をつけなければならないポイントが変わってくる。車内に発生する「カビ」だ。
いくつもの除湿剤を車内に置いたとしても、密閉した空間、それも湿気が多い梅雨時ともなればひとたまりもない。
本革やアルカンターラの素材を使用したシートや内装の場合は特に注意が必要だ。それこそ、エアコンの吹き出し口の奥にカビが生えたら目も当てられない。
季節や立地にもよるだろうが、高温多湿な梅雨時から夏場などは1週間に1度はボディカバーを外し、通気してあげたいところだ。1ヶ月も放置したらかなりの確率で車内にカビが生えていると思った方がいいだろう。
■フロントボンネットだけのカーカバーは有効?
面積を問わず、ボンネットの状態が美しいかどうかでクルマの印象が大きく変わる。ボディ全体をカバーで覆うのは面倒だが、ボンネットが日焼けするのは避けたい・・・というユーザーも少なからずいるだろう。
「フロントボンネットだけのカーカバーは有効か?」と問われたら、ボディの前半分だけ直射日光があたる保管環境のユーザー向けにおすすめしたいアイテムといえる。
戸建てに住んでいるユーザーの自宅駐車場で、立地などの理由でどうしてもバックで駐車する必要がある場合には特に有効だ。
これは余談だが、オープンカーの幌の部分だけを覆うカバーも発売されている。乗る頻度が高いが、防犯対策や社内への紫外線の攻撃を少しでも緩和させたいというユーザーにはおすすめだ。
■ボディカバーを2重に被せている人がいるが、果たして?
ボディカバーの劣化などによる雨水の浸入を防ぎたい・・・など、さまざまな理由でボディカバーを2重に被せているユーザーがいる。たしかに雨水や埃などの侵入を防ぐ一定の効果は期待できるだろう。
その反面、通気性が失われ、湿気がこもりやすくなるとともに、2重に被せることでボディカバー自体の重みが増し、ボディとボディカバーとの接触面にかかる圧力が大きくなる。
つまり、強風などの際にボディをこする力が強くなり、より「ボディカバー傷」がつきやすくなるというわけだ。
結果として、ボディを保護するはずのボディカバーが塗装表面を攻撃することにもなりかねない。それでは本末転倒だ。基本的に、ボディカバーを2重に被せるのは御法度と考えていいだろう。
■ガレージや屋内保管にもボディカバーは必要か?
さまざまな考え方があると思うが、「よほど神経質な方やコレクション目的でもないかぎり必要ないのでは?」という見解だ。
屋内保管であれば雨風は凌げるだろう。しかし、空気中を舞う埃がボディに付着するし、強風時にはシャッターと床面の接合部分などのわずかなすき間から土埃が侵入してくる可能性もある。
さらに線路や工場の近くであれば、すき間から鉄粉が侵入してくる可能性も否定できない・・・と、不安要素を挙げはじめたらキリがない。
「埃や土埃、鉄粉、花粉など、どこまで防ぎたいのか、どこまでなら許せるのか」を見極めて判断する必要がありそうだ。
これは余談だが、貴重なクルマを手に入れたまではいいが、コンディション維持や洗車方法、盗難・・・などなど。あらゆることに気を配っている自分自身に疲れてしまい、結局手放してしまったという方の話を伺ったこともある。
「程よい妥協点」を見つけるのも、愛車と長く付き合う秘訣かもしれない。
どうしても気になる・・・というのであれば、ボディカバーというくくりにこだわらず、シンプルに不織布で覆うような方法を用いて被せてもいいだろう。
■結論:愛車にボディカバーを被せるのは有効なのか?
「愛車にボディカバーを被せるのは有効なのか? 」
この問いに対する答えは「ケースバイケース」といえる。それでは納得できない人もいると思うので補足すると・・・
●ボディカバーを被せるのは有効と思われるユーザー像
・愛車に乗る頻度が少ない(週1回か、それ以下)
・土埃などが起こりにくい環境であること
・わりと几帳面な性格であること
・多少傷がついてもいいから、塗装そのものや内装・ヘッドライト等の変色・劣化を避けたい
・長期保管が目的であること
・盗難防止の一環として
といった項目が挙げられる。
ちなみに、どれほど高額なボディカバーを購入したとしても、寿命がある。カバーの内側で粉を吹きはじめたり、雨水を通すようなってきたら交換のサインだ。
1年〜2年で寿命を迎えるものもあれば、高額なボディカバーだと4、5年は問題なし!という製品もある。ボディカバーと消耗品として割り切るか、ある程度の耐久品と考えるかどうかの判断材料にもなりそうだ。
【画像ギャラリー】気休め それとも効果あり!? 愛車に被せるボディカバーはどれほど役に立つのか?(9枚)画像ギャラリー
















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